『転スラ』にもそういう拡張性が備わっており、スピンオフマンガとの連動で多面的な魅力をより開花させることに成功した。
つまり『転スラ』は好みが違う多様な読者を惹きつける要素をいくつも備えて、物語のスケールアップと合わせて徐々に開陳しておもしろさの種類を広げていくという、非常にバランスの良いエンターテインメント作品になっている。
2021年にはTVシリーズ第2期が1月から放映が始まり、7月からその続きが予定されている。
話が進むほどにキャラクターが増えていくため、途中からアニメに入ることは難しくなっていくだろう。だが、気になった人は「なろう」で無料で最初から読んで追いつくことができる。
この圧倒的な間口の広さ――小説投稿サイト台頭以前には存在しえなかったものである――ゆえに、2020年代もまだまだ『転スラ』人気は続くだろう。