【漫画】10年間辛かった…女子高生を罪悪感から救った「意外な食べ物」

緊急事態宣言から1週間

緊急事態宣言が発令して1週間が経った。

新型コロナウィルスが日本で感染が初確認されたのが2020年1月16日。

そこからまだ1年経っていないにもかかわらず、日本は「当たり前が当たり前でなくなる日常」に変化することとなった。

否応ない変化は痛みを伴う。

今回のコロナ禍で、予想外の日常を余儀なくされている人も多いだろう。

痛みをあるがままに受け入れ、そのうえで、やわらかく温かく変わっていく勇気を信じるためには何をすればよいのだろう?

罪悪感を救うもの

ネットで反響を呼んでいる『柴ばあと豆柴太』はそんな痛みと向かい合いながら、ゆっくりと前へ前へと勇気をもってすすんでいく人々を描いた感動作だ。

本編・4ページ・ショートからなる『柴ばあと豆柴太』。今回のストーリーは、心に切ない秘密を抱えた女子高生として登場した美波の「友人を死なせてしまった」という罪悪感とどう向き合うか……を描いたストーリー。

小学校時代、遭遇した東日本大震災で、クラスメイト虎太郎が自分の吸引器を取りに教室にもどり、亡くなってしまったことを、いまだに心の傷にしている美波。

それ以来、ずっと虎太郎のかわりに人生を送る……と決めて、事実を隠して、贖罪の日々を送っていた。

秘密があきらかになり、心の痛みから閉じこもっていた美波を、主人公・豆柴太が、演技力を駆使し、連れ出したのが前回。

今回は、その美波の罪悪感を、柴ばあの作る東北の麺が救うストーリーになる。

「じゃじゃ麺」が登場する意味

じゃじゃ麺は、中国の炸醤麺(ジャージャー麺)がアレンジされた盛岡三大麺のひとつ。

特徴はラー油やショウガ、ニンニクなど、仕上げの辛味で、それぞれの家庭のお好みの味付けを楽しめる。

ただじゃじゃ麺の特徴はそれだけではない。

ぶっかけ麺として味わったそのあとに、まったく別の料理に変わって、その辛味を吹き飛ばすような優しい料理に変身するのだ。

辛(から)さと辛(つら)さは、くしくも同じ字を書く。

2020年、コロナのために、つらいを思う場面が皆さんの中にもたくさんあったはず。
Go Toキャンペーンはできるのに、Go Toキャンパスはできないのか?とつらい気持ちだった大学生たち、毎日毎日、ギリギリで働き続けている医療関係者の方々、そしてこの状況下で必死に日常を続けている日本人全員が、2020年の1年で当たり前が当たり前でなくなる一年をすごしたはず。

こんななか、東北の人々が10年前の「当たり前が当たり前でなくなった瞬間」をどう過ごしたのか?から学ぶことがきっとたくさんあるはず。

「辛いに一を足すと幸せになる」と昔から言われる言葉がある。

「辛い」にひと手間かけて、やさしい温かい味に変わるじゃじゃ麺を、この物語を読めば、きっと食べたくなるはず。

外に出ることもできず、ほんのすこしの楽しみを求めて外食することも我慢している人こそ、こんなとき、食べたことのない料理にチャレンジしてみてほしい。

でかけることのできない、その北の街からきた料理はきっときっと温かい。

2021年、東日本大震災からいよいよ10年の節目となる今、痛みを進化に変える変化をはじめる背中を、このマンガが押してくれるかもしれない。

2011年3月……ボクと柴ばあは出会った。東日本大震災で家族をなくしたひとりと一匹がよりそうながら暮らす東北のある港町。お弁当屋さんを営む柴ばあと、小さな豆柴犬の二人暮らしをめぐる四季の物語。東北の温かさと、せつなさが伝わるストーリーと4ページのそれぞれの心象風景できりとった、新しい形のコミックス。たのしい4コマをはじめとした描きおろしもいっぱい!
『柴ばあと豆柴太 2』(ヤマモトヨウコ著、講談社)

 

作者紹介

ヤマモト ヨウコ

京都府出身。現在、転勤で仙台在住。初連載に緊張中。豆柴太をよろしくお願いします! https://twitter.com/YY0905