麻布と桜蔭「濃厚接触者」対応の違い

たとえば麻布も桜蔭も少なくとも2020年末時点では追試は行わないとしている。ただし、麻布と桜蔭では、濃厚接触者への対応が違う。麻布は、罹患者だけでなく濃厚接触者も受験できないとしているが、桜蔭は「濃厚接触者(無症状)の場合は、文科省のガイドラインの要件を満たした場合に限り、ガイドラインに従った別室での受験を認めます」としている。これはどういう意味か、桜蔭を受験しない親子も知っておいたほうがいい。

「文科省のガイドライン」とは、文部科学省が2020年6月19日に決定し、10月29日に改訂した「令和3年度大学入学者選抜に係わる新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」のことである。大学入試でのコロナ対応のガイドラインだが、文科省は、高校、中学校、小学校の入学者選抜においても「同等以上の対応策を講じた上で、同様の扱いを取ることが可能」としている。

ガイドラインでは、無症状の濃厚接触者は、
(1)初期スクリーニング(自治体等によるPCR等検査)の結果、陰性であること
(2)受験当日も無症状であること
(3)公共の交通機関を利用せず、かつ、人が密集する場所を避けて試験場に行くこと
(4)終日、別室で受験すること

の4条件を満たせば受験できるとしている。

濃厚接触者のみならず、受験でも席間の距離を取るなどの対策が取られていることもあり、限られた場所に苦慮する学校もある Photo by iStock

桜蔭以外の学校でも、濃厚接触者の別室受験を認めるとしている場合には、このガイドラインに沿った条件を提示している場合が多い。麻布は「隔離教室を設けることができませんので受験をお断りいたします」としている。

麻布の入試には特殊な事情がある。入試時間が長く、途中で試験会場内での昼食の時間をはさむため、ただでさえソーシャルディスタンスの確保には並々ならぬ注意が必要なのだ。さらに緊急事態宣言下で今後どれだけ増えるかもわからない濃厚接触者を受け入れるとなると、あの狭い校内では収容能力に限界があるのも事実だろう。