NHK朝ドラ『おちょやん』のモデルは浪花千栄子である。
1960年代には現役で活躍していた人だから、覚えている人も多いだろう。
ドラマでもいくつも見ていたようにおもうが、1960年代に子供だった世代に印象的なのはコマーシャルである。
「浪花千栄子でございます」と名乗って、オロナイン軟膏の宣伝をしていた。
「オロナイン軟膏をお塗りやす」と言って、勧めてくれ、考えてみれば、私はいまでもオロナイン軟膏を常備していて、これは浪花千栄子の言葉が耳に残ってるからかもしれない。
おもいかえせば、浪花千栄子の言葉遣いはきれいで、きれいな大阪言葉であった。
「音」として、その存在の心地よかった人である。
彼女は「松竹新喜劇」の創立のメンバーだったらしい。
これは、今回の『おちょやん』ドラマ化に際して知った事実である。
オロナイン軟膏の広告をしていたころ、松竹新喜劇に彼女はいなかった。
1960年代、吉本新喜劇と、松竹新喜劇が、関西ではふつうにテレビで見られた。
吉本新喜劇は、土曜の昼にやっていて、小学生だった私は毎週見ていた。
土曜日は給食がないから昼に学校から帰ってきて、昼食のやきめしなどを食べながら見るのが吉本新喜劇だった。
その内容について、月曜日に学校で話すのがいつものことだった。
だいたい1968年から1970年ころの記憶である。