菅政権のヤバすぎるコロナ対応…そして日本は東アジアの「負け組」に

「ウイルスとの戦争」という認識はあるか
近藤 大介 プロフィール

プライバシーはいずれ「死語」になる

近藤: 隔離に関しては、いま習近平政権に叩かれているアリババ(阿里巴巴)が、昨年2月に優れものを発明しました。「健康コード」(健康碼)です。

これは、日本で昨年6月に厚労省が始めた接触確認アプリ「COCOA」と似ていますが、それよりもはるかにレベルが高い。「COCOA」のダウンロード数は、1月8日現在で約2310万人と、日本人の約18%にすぎませんが、中国の「健康コード」は、テンセント(騰訊)のものなども含めると、国民のほとんどがダウンロードしています。

いくら強権国家・中国でも、14億人全員に、「アプリをダウンロードしろ」とは言えない。そこでどうしたかというと、ダウンロードしない人は普通の日常生活が送れないようにしていったんです。

「健康コード」をダウンロードすると、AIがビッグデータを駆使して、その人を「緑」「黄」「赤」のいずれかに判定します。ほとんどの人は「問題なし」の「緑」になりますが、ごくたまに「感染者もしくは濃厚接触者の可能性あり」の「赤」が出る。すると、アプリの指示に従ってPCR検査を受けて陰性が出ないと、「緑」に変わりません。また「黄」は隔離中の人です。そうして国民を「緑」「黄」「赤」に峻別した上で、街の各所に計測器を置いたわけです。

〔PHOTO〕Gettyimages

H: 日本でも、最近はいろんなところで熱を測って、平熱の人しか入れませんということをやっていますが、あれと同様のものですか?

近藤: 似ていますが、もっと徹底しています。地下鉄、バス、ショッピングモール、レストラン、スーパー、コンビニ、オフィスビルに映画館、もうどこへ行くにも「緑」を提示しないと入れなくしたのです。囲いのあるマンション群などの出入りも同様です。

H: 中国はスマホ決済が発達しているから、その延長みたいなものですね。

近藤: その通りです。この「健康コード」によって、中国では「復工復産」(仕事と生産の復活)と呼んでいますが、経済のV字回復が可能になりました。工場の入口に計測器を置いて「緑」を確認すると、何千人も工員がいたとしても、安心して工場で作業ができるわけです。

もし工員に一人でも「赤」が出た場合は、工場の全員がPCR検査を受けることになります。中国は「健康コード」によって、2020年にG20(主要国・地域)で唯一、経済プラス成長を達成したのです。

H: たしかに体温計で図るよりも、ビッグデータをもとにAIが判定した方が、先進的ですね。

近藤: さらに言うと、先月11日、中国の厚労省にあたる国家衛生健康委員会が、「『インターネット+医療健康』『五つの一』のサービス行動を深く推進することに関する通知」を出しました。付属文書まで付いた全文は、非常に長いものですが、簡単に言うと、今後この「健康コード」を、「デジタル健康保険証」にしてしまおうという計画なんです。

H: はあ?

 

近藤: つまり、毎回の健康診断の結果、これまで医者にかかった時のカルテ、薬局で常用薬を買う時のお薬手帳、過去の入院・手術歴……こうした個人の健康に関わる情報を、一つのアプリの中に入れてしまおうということです。それによって、病院ごとの二重の検査は不要になるし、医師も患者の過去のカルテを参照したりして、より科学的な診察ができるというわけです。