菅政権のヤバすぎるコロナ対応…そして日本は東アジアの「負け組」に

「ウイルスとの戦争」という認識はあるか
近藤 大介 プロフィール

近藤: 非常事態宣言が出たら、ウイルスは「はい、分かりました」と静かになってくれるんですか? 非常事態宣言というのは、出さないよりは出した方がいいに決まっているけれども、あくまでも「かけ声」に過ぎません。

それに、東京など1都3県が要請したのが1月2日で、菅義偉首相が発出したのが、それから5日も経った7日。大阪など関西3府県も、先週末の9日に要請したにもかかわらず、菅首相は翌10日のNHK『日曜討論』に出演し、「分科会の先生方は『もうしばらく様子を見て分析したい』という方向だったようです。もう数日の状況を見る必要があると考えています」と答えました。

首都圏でも関西圏でも連日、とてつもない数の感染者が出ているというのに、なぜ「もう少し状況を見る」なんて悠長なことが言えるのか。国民は実験用のモルモットではありません。地方自治体から要請が来たら、さっさとその日に発出しろと言いたい。

〔PHOTO〕Gettyimages

H: 菅首相は、首都圏で緊急事態宣言を発出した翌日(8日)には、『報道ステーション』(テレビ朝日系)に出演していました。このところ内閣支持率が3割台前半まで急落しているし、挽回に躍起になっているんでしょうね。

近藤: 『報道ステーション』も観ましたけど、愕然としましたよ。ワクチンを「ヤクチン」と言い間違えたり、なぜ最近、感染が急拡大しているのかと問われて、「気温が低くなったから」と答えたり……。

「ガースー総理」は、ハンコを廃止するとか、携帯電話料金の値下げをするとか、「平時の首相」としてはいいのかもしれないけど、「有事の首相」にはふさわしくない。発言から、歴史観と政治哲学がまったく感じられません。

日本は東アジア地域の「負け組」

H: 近藤さんはジャーナリストだから、時の政権に対して常に厳しいですよね。先代の安倍晋三政権の時も、コロナ対応に怒りまくっていました。それもあって、来週発売される『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(講談社現代新書)を書いたということですね。

この本は4章立てになっていて、「第1章 米中、7つの戦争」「第2章 『コロナ対応』の東アジア比較」「第3章 韓国と台湾を見ると5年後の日本が分かる」「第4章 日本は中国とどう付き合うか」

その中で、いまコロナが、日本でこんなに恐ろしいことになっているので、今回は第2章についてお聞きします。この一年の日本政府のコロナ対応が、いかにダメだったかということを、日本の周辺諸国・地域と比較する形で示していますね。

近藤: はい。新型コロナウイルスは、いまから1年あまり前、中国の武漢が発生源になったけれども、その後、周知のように世界中で蔓延した。その結果、各国・地域の政府の対応能力の差が、如実に表れたわけです。

昨年11月のアメリカ大統領選にしても、感染者数が2000万人を超えるほど深刻な状態になっていなければ、ドナルド・トランプ大統領がすんなり再選されたと思います。

H: そんな中、東アジア地域においては、日本が「負け組」だと、手厳しく書かれています。

 

近藤: その通りです。「勝ち組」は、中国、台湾、ベトナム。「負け組」は日本と北朝鮮です。「引き分け」が、韓国と香港。もっとも北朝鮮は、いまに至ってもWHO(世界保健機関)に、「感染者ゼロ」と報告していますが。実際には先月の段階で、感染者数は10万人を超え、死亡者数も6000人を超えたという情報があります。

H: つまり、コロナ対応に関して、日本は「北朝鮮並み」ということですか。