医療崩壊を防ぐために…3月までに使える「9.3兆円」活用が日本を救う

重要なのは「アメとムチ」のバランス
髙橋 洋一 プロフィール

「飲食店短縮要請」の効果は

また、小池百合子都知事に押されて、緊急事態宣言に追い込まれたというマスコミの論調もあるが、もう少し経緯を調べたほうがいい。

今回の政府による緊急事態宣言の経緯を振り返ると、飲食店への営業時間短縮要請について、東京都では11月28日から実施した。当初は12月17日までだったが、12月上旬、政府は1月11日まで延長するように東京都に要請したが、東京都は12月17日までとして抵抗したものの、感染拡大は収まらず、結果として1月11日まで延長とされた。

 

今回、延長期日の1月11日が近づく中で、今度は東京都など1都3県から、国への緊急事態宣言の要請があった。これまでの自治体による時短要請では効果が上がっていないために、国による緊急事態宣言とともに、国から自治体への財政支援を狙ったのではないだろうか。国の財政支援があれば時短要請に応じた先への協力金割増が期待できる。

国としても、自治体任せの感染対策では効果あがっておらず、国として総力戦であることを示す必要もあった。また、上述のように、こうした事態に備えたコロナ対策も組んだので、18日からの通常国会を控えて、予算執行の道筋をつける意味もあった。さらに、飲食店の時短は、北海道などでは効果があったので、それを進める理由もあった。

今回のコロナ拡大防止対策としては、(1)医療提供体制の確保と医療機関等への支援、(2)検査体制の充実、ワクチン接種体制等の整備、(3)水際対策の強化、(4)地方自治体への地方創生臨時交付金の増額などがある。

コロナ拡大防止対策では、病床、宿泊療養施設の確保等の緊急包括支援交付金の増額、緊急的臨時的な対応として医療機関等への取り組み支援がある。また、診療報酬上の特例措置、高齢者施設への感染防止対策支援等もある。これらの資金支援により、医療の整備がなされるはずだ。

一般の人に関心があるのは、雇用だ。昨年4月の緊急事態宣言のとき、雇用調整助成金で助かった人も多いだろう。雇用調整助成金については、上限額引き上げなどの特例措置は2月末までとされていたが、当然延長される予定だ。

個人事業の人は、持続化給付金や家賃支援給付金がどうなるのか心配だ。それらの申請受付は1月15日まで締め切られるが、別の「一時金」の仕組みが作られる予定だ。

今の段階で心許ないのは、コロナ拡大防止対策の中の水際対策の強化である。ただし、変異株が外国からの入国者にも見つかったので、厳しい措置をとらざるを得なくなった。この問題では、開国派と鎖国派で対応が相違していたが、遅きに失したとは言え、これですっきりするだろう。