医療崩壊を防ぐために…3月までに使える「9.3兆円」活用が日本を救う

重要なのは「アメとムチ」のバランス
髙橋 洋一 プロフィール

3月までに9.3兆円が使える

しかし、そのために、日本の経済の落ち込みは世界の中では少ない部類になっている。あくまで世界と比較した場合であるが、コロナの感染もそれほど酷くない。以下の図は、昨年10月18日にフィナンシャルタイムズ紙に掲載されたものであるが、日本は左の上の方に位置しており、経済もコロナもともに、世界の中では打撃は少ない。

 

いずれにしても、12月15日に閣議決定された第三次補正予算をみれば、コロナ拡大防止策4.3兆円、予備費5.0兆円の合計9.3兆円は、1~3月までに使える。

今回の緊急事態宣言により、経済活動の縮小は最大で毎月4兆円弱であると見込まれている。となると、1~3月でみると、使える予算をうまく執行すれば、かなりの程度、医療や経済体制を支えられる。

1~3月までに、経済苦境に陥りそうなら、4次補正も躊躇してはいけない。4月からの新年度予算では、予備費は5兆円計上している。そのため、4月当初から困ることはないはずだが、その後でも必要なら補正予算を打つことも視野にいえておくべきだ。

率直にいえば、12月8日のコロナ対策の金額は、今の緊急事態宣言をまったく想定外で作られたものではない。現行のコロナ特措法では、さしたる私権制限はなく、その反面地方自治体が事業者に何か要請して、それに応じた場合での国の支援義務もない。そうしたコロナ措置法での緊急事態宣言に意味があるとすれば、国から地方自治体や事業者への財政支援が大きい。

昨年4月7日の緊急事態宣言でも、その後、4月20日に1次補正予算、5月27日に2次補正予算を策定し、各種の財政支援を行ったのだ。ところが、今回の緊急事態宣言は、それが宣言されても財源確保であわてないために、予め財源を確保していたのだ。

これにもかかわらず、後手になっているとのマスコミの指摘は、昨年4月の緊急事態宣言との比較との視点からみれば的外れと言わざるを得ない。