女性のキャリアの「水漏れパイプライン現象」

2010年代に報告された研究者における女性の割合は、世界のどの地域でも50%を下回っている。具体的には、欧米各国は概ね30%前後、アジアでは韓国が19%近い数字であるのに、日本は約15%である。これらの数字は、私が実際に見てきた体感とも一致している。

またこの割合は、キャリアが進むに連れて減少していく。例えば日本では、理工系大学の学部生における女性の割合が44%なのに対し、博士過程では分野によって異なるが概ね20%程度と約半分まで下がる(科学技術振興機構(JST)「女性研究者活躍推進に関する報告書(平成26年)」より)。さらに、理工系のほぼ全ての分野で、准教授になると10%、教授になると5%を下回る。

このようにキャリアが進むにつれて女性の割合が減少する傾向は、日本に限らず世界中で報告されており、国際誌「Gender and Education」に掲載された論文「Women and science careers: leaky pipeline or gender filter?(J. C. Blikenstaff, 2005)」でも取り上げられているように、「水漏れパイプライン(Leaky Pipeline)現象」とも呼ばれる。

様々な所に穴が空いたパイプラインを水が流れると、水漏れによってどんどん水量が減ってしまうように、キャリアが進むにつれて「女性」であることに関連した様々な要因が女性を研究職から遠ざけ、教授等まで進んだ段階では男性ばかりが残ってしまうのだ。