# 新型コロナウイルス

緊急事態宣言で、「見殺しにされる業種」と「恩恵を受ける業種」の残酷なまでの差

食材納入業者、リネンサプライ業は大打撃
鷲尾 香一 プロフィール

宿泊業への納入業者は対象外?

例えば、リネンサプライ業だ。リネンサプライ業は、ホテルや飲食店にシーツ・タオル・テーブルクロス・ナプキンなどをクリーニングしてレンタルする。納入先は飲食店だけではなく、旅館やホテルなども多い。

つまり、給付金の「飲食店への納入の売上が半減」という条件には当てはまらないし、例え飲食店分で給付金を受けたとしても、旅館やホテルが“壊滅的”な状況にあり、それこそ“焼け石に水”だ。

第3次産業活動指数でリネンサプライ業を見ると、その推移は旅館、ホテルと完全にシンクロしている(表3)。旅館やホテルが回復しない限り、業績の回復は望めない。しかし、旅館やホテルでは飲食も行われるし酒類も提供されるが、飲食業ではなく宿泊業だ。

今回の緊急事態宣言では、午後8時以降の不要不急の外出の自粛と出勤者の7割削減も求めている。そこには、確かに飲食店での感染拡大を防ぐために、そもそもの人の流れを止めるという狙いがあるのだろう。GoToトラベルを停止したのも、人の動きを止めることに狙いがあったはずだ。

だが、人の流れを止めることで影響を受けるのは飲食店ばかりではない。鉄道や航空などの交通機関はもとより、旅館やホテルも大きな影響を受けている。そして、そこに関連した業者にも大きな影響が及んでいる。そして、非常事態宣言は飲食店以外にも確実に影響を及ぼす。

 

結局、時短営業を要請した飲食店とその関連業者だけに支援が行われ、その他の業者は「持続化給付金」も終了するから、“見殺し”の状態だ。

昨年の緊急事態宣言では、政府が持続化給付金などの様々な制度や、政府系融資や民間金融機関への積極的な融資を行うよう働きかけたことで、企業倒産を防いだ側面が強い。

しかし、今回は政府の支援が手薄になり、ここまで何とか事業を継続してきた旅行関連や宿泊業などでは、倒産や廃業に追い込まれるところが多発する可能性が高まっている。