# 新型コロナウイルス

緊急事態宣言で、「見殺しにされる業種」と「恩恵を受ける業種」の残酷なまでの差

食材納入業者、リネンサプライ業は大打撃
鷲尾 香一 プロフィール

「棚から牡丹餅」か「焼け石に水」か

同様のことは協力金にも言える。今回の協力金は会社単位ではなく、実店舗あたり1日6万円が上限となっている。この定額の協力金は個人・中小零細企業には十分であっても、大規模なチェーン店には不十分な額だろう。

例えば、家族経営のような小規模で、1日の売り上げが6万円に満たないような居酒屋であれば、1日6万円の協力金が月25日分入れば150万円になる。場合によっては、言い方は悪いが“棚から牡丹餅”のようなものだ。しかし、従業員を10人も抱えた飲食店等では“焼け石に水”に違いない。

 

だが、問題はそれだけではない。飲食店に時短営業を要請した場合、飲食店に関係する事業者にも影響は及ぶ。

例えば、飲食店に食材を納入している業者などだ。これらの業者には協力金は出ない。特に、個人や中小・零細の飲食店の納入業者は、同様に個人や中小・零細の納入業者が多いからだ。

これは、第3次産業活動指数の「食料・飲料卸売業」「農畜産物・水産物卸売業」の動きを見てもわからない。食料・飲料卸売業の指数は5月に100を割り込んだがそれ以外は堅調に推移しているし、農畜産物・水産物卸売業も確かに昨年1月から100を割り込んでいるが大きな下落はなく、10月には100を超えるまで回復している(表2)。

「確かに飲食店への販売は激減したが、巣ごもり需要もあり小売店への卸しは順調。ネット販売を開始するなど、新たな販売方法も開始した」(東京・築地市場の水産物卸業者)ことで、影響を最小限に抑えているという。