山中先生に新型コロナウイルスとどう戦えばよいか聞いてみた

免疫ネットワークの力を治療に生かす
山中 伸弥, 浅井 健博 プロフィール

パンデミックを「正しく恐れる」

――2020年7月、「人体vsウイルス」のスタジオ収録で、山中さんは最後に「科学はもっと謙虚にならなければならない」とおっしゃいました。今改めて、科学のあり方についてどうお感じになっていますか?

 

今でも科学は謙虚であらねばならないと考えています。今回の新型コロナの流行は、決して最後のパンデミックにはならないでしょう。今後もほかのコロナウイルス、新型インフルエンザウイルス、あるいはまったく別の種類のウイルスが出てくるのではないか。もともとは動物だけに潜んでいたウイルスや細菌などの病原体が、人間にも感染して、脅威になる事態は十分起こり得ます。新型コロナで世界中のたくさんの人々が大変な目に遭っていますが、パンデミックはこれからもくり返されるでしょう。次のパンデミックに備えるためにも、今、私たち研究者は学ぶ必要があります。

――新型コロナの流行が始まってまもなく1年が経過します。「正しく恐れる」ことが大事だと言われますが、第3波に襲われる中で、どのような心構えで、私たちは新型コロナに対峙すればよいでしょうか。

このウイルスは基本的に人から人へ感染するので、私たちひとりひとりが基本的な感染対策をすれば十分対処できると思います。しかし、これから日本でも欧米に近い状況になる可能性も否定はできません。これまで日本では、2020年3月に一斉休校や4月に緊急事態宣言など、しっかりした対策がとられていました。気づいたときには手遅れとならないように、最悪の事態を想定して、細心の注意を払って今後も対策をとる必要があります。

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