画像提供/NHK

山中先生に新型コロナウイルスとどう戦えばよいか聞いてみた

免疫ネットワークの力を治療に生かす
この新型コロナウイルスは何者なのか? その謎に迫るためNHKスペシャル取材班はいくつもの科学論文を読み解き、世界トップの研究者たちにインタビューを重ねてきた。その成果から生まれた番組がNHKスペシャル「人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~」(2020年7月4日放送)だ。番組内容がこの度書籍化され、『たたかう免疫 人体vsウイルス真の主役』として刊行された。本書から山中伸弥教授の特別インタビューを公開する。聞き手は番組チーフ・プロデューサーの浅井健博氏だ。*本稿は2020年10月に行われたインタビューによるものです。

早くから積極的に警鐘を鳴らす

――山中さんは、日本で新型コロナウイルスの感染者がまだほとんど報告されていないころから、積極的に警鐘を鳴らしてこられました。2020年3月には「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」というホームページも開設された。危機感をお持ちになったきっかけは何だったんですか?

 

最初から心配していたわけではありません。2月上旬、サンフランシスコで友人のウイルス学者の講演を聴く機会がありました。その講演の締めくくりで、彼がこう言ったんです。新型コロナに注意する必要があるが、もっと心配なのはインフルエンザウイルスである、と。

――たしかにアメリカでは毎年数万人がインフルエンザで亡くなっていますね。

2020年の2月には、前年10月以降の死者が1万人を超えていました。それに比べれば、当時は新型コロナの感染で亡くなった人はそれほど多くなかったのです。だから彼は新型コロナについて注意すべきだが、恐れる必要はないというメッセージを発したわけです。

――しかし、現時点でアメリカだけで、新型コロナでの死者が25万人を超える事態に及びました。

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