マルチ商法は法的に認められた販売形態

みなさんはマルチ商法と聞くと、どういうイメージを持つだろうか?
「なんかいかがわしい……」「稼げると思ってはじめてもうまくいくわけない……」「失敗して在庫や借金を抱える」など、悪い印象を持っている人は少なくないかもしれない。イメージとしても、金銭的なダメージしか想像できないのが普通だろう。

ここでマルチ商法について簡単な説明をしておきたい。

まず、マルチ商法は違法なビジネスではなく、悪意を持って使われる呼称でもない。法的に認められた連鎖販売取引という販売形態の通称だ(特定商取引法第33 条)。一般的な商品流通とは異なり、購入者が新たな購入者を勧誘し、その相手に販売することで手数料を得るビジネスを指す。この連鎖販売取引が日本では俗称としてマルチ商法と呼ばれ、公的機関でも使われている。なので、ここで「マルチ商法」と言ったとき、それは「連鎖販売取引」を意味することをご理解いただきたい。

このように、マルチ商法は合法なビジネスだ。ただし、問題の起きやすい商法でもあるため、特定商取引法で厳しい規制を受けている。たとえば、勧誘する際は勧誘目的で会うことを事前に告げなければいけない不実告知(「絶対儲かる」「このサプリを飲んでいれば病気が治る」など)や威迫困惑行為(「断られたのに再度勧誘する」など)をしてはいけない、など。しかし、企業が知らないところで会員が規制を破って活動していることはままあり、そのために上記のような良くないイメージにつながっているのだと考えられる。

「この浄水器の水を飲めばガンも治る」「この化粧品だと必ずアトピーは良くなる」といった効能に関して事実を超える場合は違法になる Photo by iStock

しかし、こうした「悪質なマルチ商法」の被害を受けると言ったとき、その本質は「お金」にはない。その人の「人格」を変えかねないところにこそ、本当の恐ろしさがあるのだ。