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中国「ジャック・マー失踪」の全舞台裏…じつは習近平の“自爆”で、中国経済が「大ピンチ」へ!

福島 香織 プロフィール

アメリカも動き出す

たとえば、アリペイやウィーチャットのプラットフォームを共産党が接収すれば、中国が人民元国際化への道の切り札と期待をよせるデジタル人民元がEC市場を通じて国際社会での利用がスムーズに広がるし、こうしたプラットフォームの蓄積する個人情報、消費動向は世論操作や政治宣伝、統一戦線工作などを含めた情報戦にも役立つかもしれない。

今まで、この分野が、さほど厳しい監督も受けずに放任されていたことは奇跡だったかもしれない。

だが逆にいえば、アリババやテンセントがデジタル経済圏の覇者となったのは、中央政府の放任の結果、自由があったからだった。その自由さに、外国企業も引き寄せられ、彼らに投資し、多国籍な活力ある企業に成長した。今後、民営企業の自由が奪われていき、企業の利益、消費者の利益よりも党の利益を優先することを義務付けられるようになれば当然、その活力は奪われていく。自由のないところにイノベーションは生まれ得ないだろう。

アメリカも動き出す photo/gettyimages
 

また米政府は、アリババ、テンセントが解放軍関連企業として投資禁止対象にするかどうかを検討中だが、かりに今まで、積極的な解放軍協力企業ではなかったとしても、今後はそうなっていくことは確実だ。

バイデン政権になれば、対中ハイテク企業への制裁方針は変わるという期待もあろうが、中国のハイテク企業は以前よりももっと共産党に支配され、西側自由社会にとっては警戒すべき存在になってゆく。中国デジタル企業の多国籍なイメージは消え、共産党傀儡企業イメージに変わっていけば、海外の技術者や投資家たちも距離をとらざるをえないだろう。

数年前、「中国ハイテクすごい」「深圳すごい」と持ち上げられてきた民営ハイテク企業、インターネットプラットフォーム経済にとっての冬の時代が始まる。

では、春はいつなのか。私は習近平独裁が終わらない限り、やってこないと思っている。新型コロナや大統領選の混乱から米国のパワーダウンが予想よりひどいので、冬は思いのほか寒く長いかもしれない。

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