# 中国

中国「ジャック・マー失踪」の全舞台裏…じつは習近平の“自爆”で、中国経済が「大ピンチ」へ!

福島 香織 プロフィール

みずからの権力を脅かす「敵」

馬雲(ジャック・マー)の大胆な批判発言は、中央政府がじわじわとインターネットプラットフォーム事業やフィンテック事業にかける規制や圧力に反発したものと思われる。

利用者10億人をこえるアリペイとEC市場の半分以上のシェアをかかえる天猫サイトなどを擁するデジタル経済圏の支配者の一人であるという自信、自負がひょっとすると、こうした恐れを知らない発言につながったのかもしれない。

馬雲はもともと反逆児的性格があり、2003年にアリペイ事業を始めるときに、金融分野に一民営企業が入り込むことで共産党からにらまれるかもしれないと噂がたったことに対し、「アリペイのために投獄されてもいい」とまで言ったといわれている。当時、共産党中央幹部の怒りを和らげるために中南海に日参している馬雲を新華門付近で見かけた、といった話を出入りの関係者知人から聞いたことがあった。

胡錦涛時代には許されたが photo/gettyimages
 

当時の胡錦涛政権も、また金融、インターネット方面に利権をもっていた上海閥も、だが馬雲を利用して自らの利権を拡大し、蓄財に励むことを選んだ。アリババのイノベーションに法整備が追い付かず、事実上放任になったといってもいい。

その無法空間に生まれた自由を利用して、馬雲はアリババ帝国を築いたのだった。

だが、習近平は江沢民や胡錦涛とは違い、経済や文化分野を含めたすべてにおいて党中央の指導力を発揮し、自分のコントロールの及ばない存在を許せない性格だった。デジタル金融とEC市場の支配者であり、海外からも信望がある有能でカリスマ性をもつ企業家リーダー・馬雲の存在自体が、自らの権力を脅かす敵であると思い込んでいるふしもあった。

編集部からのお知らせ!

関連記事