# 中国

中国「ジャック・マー失踪」の全舞台裏…じつは習近平の“自爆”で、中国経済が「大ピンチ」へ!

福島 香織 プロフィール

引き金となった「事件」

アントの上場の急な中止は、銀行が受けるさまざまな資本規制や金利上限規制を受けずにきたフィンテック企業に対して、新たな規制をかける法律の準備が進められていることを受けてのものだろう。

この法律ができれば、アントには規制にひっかかる部分が出てくるとみられている。だが、こうした制度上の変化の流れ、というのはアント側も当局側も了解していたわけで、おそらくは水面下で交渉が重ねられてきたはずだ。

なので、上場の急停止の本当の理由は、習近平の馬雲(ジャック・マー)に対する見せしめ的処罰ではないか、とみられている。

10月24日に上海で行われた金融フォーラムの場で、馬雲が「監督を恐れないが、古い方式の監督を恐れる」「中国にシステミックリスクがないのは基本的にシステムが存在しないからだ」と、強烈な皮肉を交えた中国政府への批判を行ったことが引き金だったというのが、海外メディアの共通認識だ。

 

おりしも中国の債務バブルがいつはじけるとも限らないリスクを前に、既存金融機関の再編整理が始まっている中で、アントの事業で大儲けしているアリババ・馬雲の放言は見過ごせなかったということだろう。

中国当局はこうしたフィンテック企業への監督強化の第一歩として2019年に、アリペイ、ウィーチャットペイのチャージ資金を、人民銀行の当座預金に預けることを義務付けた。これまでは、こうしたチャージ資金はアリババやテンセントが自前で運用して少なからぬ利益を上げていたが、その利益を政府が接収した格好となった。

編集部からのお知らせ!

関連記事