「日本は平和」という空気感のなかで大人になる「子どもの未来」をいま考えてみた

平和ってなんだろう

「私に平和を語る資格があるのだろうか」。NY在住の作家・小手鞠るい氏が自問自答しながら、子どもに向けた「平和」の本を執筆した。

アメリカの高校生が原爆の是非をディベートする様を描く小説『ある晴れた夏の朝』で小学館児童出版文化賞を受賞した作家が、「日本は平和国家」とかつて信じた「からくり」への疑問をなげかける。

本当に日本は平和国家?

私は1956年生まれ。売春防止法が公布・施行され「もはや戦後ではない」という言葉が流行した年に生まれて、フォークソング『戦争を知らない子供たち』を聞きながら受験勉強に励んでいた。

私の両親は、日本が満州事変を起こした年に生まれて、日中戦争、太平洋戦争、天皇制を中心に据えたファシズムの時代を生き抜き、敗戦時には14歳と15歳だった。まさに、戦争によって、子ども時代、青春時代を台無しにされた世代である。

満州に入る日本軍 photo by gettyimages
 

そのような両親に育てられたのに、私は長きにわたって、戦争にも平和にもまるで関心がなかった。

なんの思想も抱くことなく、のほほんと生きてきた。小・中学校で習ったことをすんなりと受け入れて、日本は戦争を永久に放棄した「平和国家」であると信じて、疑うこともなかった。

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