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今の日本ではコロナ感染拡大を問題視することがタブーになっている

緊急事態宣言、弱者を守るための合意を

新型コロナウィルス感染拡大防止のための営業活動規制などについて、社会的合意を形成しにくい。それによって受ける影響が、立場によって大きく違うからだ。

しかし、立場の違いを超えて、どんな場合にも必要とされる「鉄則」がある。それが日本では無視されている。

緊急事態宣言はやむをえない

緊急事態宣言が再発出された。感染拡大を考えれば、やむを得ない措置だ。むしろ、遅すぎたと言える。

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昨年春に、特別措置法の改正が行われた時、その必要性について、私は疑問に思っていた。これが、国家権力拡大の取り掛かりになるかもしれないと考えたからだ。

日本人には集団志向的な考えを持った人が多いから、自粛を求めるだけで状況は改善するのではないかと期待していた。

しかし、その後の状況を見て、考えが変わった。

そうなったきっかけは、ゴールデンウィーク前に、医療崩壊の迫っていた沖縄に多数の観光客が押し寄せたことだ。これをこの欄に書いた(「コロナ長期化、日本政府は『高齢者を見捨てない』と約束できるか?」)。

そして、「悪魔のプランには反対する」と書いた。

いまもその考えは変わらない。ただし、実際に生じているのは、「悪魔のプラン」というような大袈裟な考えに基づいた統一的、戦略的行動ではない。もっと単純な自己中心主義の現れだ。

11月になって感染が拡大したとき、今度こそは行動自粛が広がるだろうと思った。しかし実際にはそうならなかった。

 

営業活動などの制限を強化しなければならないのは誠に残念なことだが、人々に行動自粛を呼びかけても徹底できないとなれば、やむを得ないだろう。