「毒になる親」に育てられた子供は、大人になってからどのような問題を抱えることになるのだろうか?
子供の時に体罰を加えられていたにせよ、いつも気持ちを踏みにじられ、干渉され、コントロールされてばかりいたにせよ、粗末に扱われていつもひとりぼっちにされていたにせよ、性的な行為をされていたにせよ、残酷な言葉で傷つけられていたにせよ、過保護にされていたにせよ、後ろめたい気持ちにさせられてばかりいたにせよ、いずれもほとんどの場合、その子供は成長してから驚くほど似たような症状を示す。どういう症状かといえば、「一人の人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということである。
そして、彼らはほとんど全員といっていいくらい、いずれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じているのである。
「毒になる親」の子供がこのように感じるのは、意識的であれ無意識的であれ、親から迫害を受けた時に、「自分がいけなかったからなのだろう」と感じるためであることが多い。外部の世界から自分を守るすべがなく、生活のすべてを親に依存している小さな子供は、親が怒っているのは自分がなにか“悪いこと”をしたからだろうと感じるのが普通である。自分を守ってくれるはずの親が実は信頼できない人間だったなどということは、小さな子供には考えもつかないからだ。