ハイスぺ独身男は深夜「港区の自宅」にいる

なるほど。確かに、マッチングアプリのプロフィールなどアテにならないことが多いだろう。肩書や年収の詐称は日常茶飯事だろうし、既婚者が独身を偽って登録していることもあると聞く。

しかし「位置情報」から、相手の何がわかるというのだろうか。

「例えば深夜に自宅でアプリを起動し、位置検索を3km範囲などに設定するんです。私の実家は広尾なので……そうするとマッチングするのは六本木、恵比寿、青山、赤坂あたりで暮らしている人になる。いわゆるハイスペ男子に出会える確率が上がるんですよ」

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綾乃はそう言って屈託のない笑顔を見せた。

今はコロナ禍ということもあり、夜はほとんどの人が自宅で過ごしている。東京在住であればなおさらだ。

広尾から3km範囲に自宅があり、かつ30代前半の男性となると、大企業勤務または経営者で収入の高い独身貴族に絞られる。この綾乃の見立ては、あながちバカにできない推理なのかもしれない。

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ただこの方法でいわゆるハイスペ男子とマッチングしたとしても、そのあと「本命彼女」の座をゲットするのは至難の技なのだという。

「当たり前の話ですが、東京都心の、しかも高級エリアに住んでいる30代前半の男性はかなりモテます。見た目もそれなりにイケてるとなると、それはもう、ものすごい競争率。言い寄ってくる女性が山ほどいて、正直、私なんかじゃ相手にされません」

実際のところ綾乃は、上品な和風美人ではあるものの、男好きする容姿かどうかと言われると微妙なルックスだ。目が大きくて唇の厚い、石原さとみのようなモテ顔の類ではない。

さらには29歳という年齢もマッチングアプリの世界では少々不利に働くのかもしれなかった。

「でも……偶然にも見つけてしまったんです。私が求めるような高年収かついいお家柄の男性と出会えて、さらに競争率をグッと下げることができる方法を」