緊急事態の日本でこれから「コロナ差別死」が起きるという恐怖

厳しすぎる行動監視の末路
阿部 恭子 プロフィール

せっかく地元に帰ってきた佐藤さんは、近くの安宿を探そうかと思ったが、「戻った方がいい。もうあの辺では噂になってるから」と、最終の新幹線に乗るように急かした。佐藤さんは、来たばかりの道を戻るしかなかった。

佐藤さんが東京に戻ると、翌日、実家の父親から電話があった。佐藤さんが帰省した噂がすでに広まっており、佐藤さんの親族は肩身の狭い思いをしているのだという。

地元で受験を控えている兄弟もいるのになんてことをしてくれたのかと家族から散々責められた。この件で、泊めてくれようとした友人との関係もギクシャクしてしまった。

「まるで犯罪を犯したかのように言われて、誰ひとり庇ってくれません。見捨てられてしまった気がして……、もう帰りたい場所ではなくなってしまいました」

 

軟禁状態の「隠れ帰省」

東京都在住の杉本絵美さん(仮名・30代)は、子どもが産まれ、夫の両親が孫の顔が見たいというので北陸にある実家に「隠れ帰省」することになった。

「隠れ帰省」とは、他の親戚には帰省する連絡は入れず、外出を控えて過ごすといった程度のことで、軟禁生活を強いられるとは思いもよらなかった。

家族三人で出発する支度をしていたところ、義母から連絡があり、人目につかないよう夫とは別々に来てほしいというのだ。実家に着くと、夫の両親が孫との出会いを喜んでくれたのは一瞬で、子どもが少し騒いだだけで近所に聞こえたら困ると眉を顰めるのだ。

杉本さん家族は、空いている二階の部屋で寝ることになっていた。ところが、二階に電気がついていると近所にわかってしまうので電気をつけないで欲しいというのだ。その日は、20時には床に就くほかなかった。

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