湘南の海辺からスタートした、海をきれいにする地域通貨「ビーチマネー」。目指すのは、世界中の海をきれいにすること。ビーチマネーが繋ぐ南伊豆、下田の海辺を訪ねました。

「コミュニティマネーの基礎知識」はこちら▶︎

ビーチマネーが巡る海辺の町。
目指すのは、「循環」

「ビーチグラス」を知っていますか? 海岸に落ちているガラス片で、長い年月をかけて波に揉まれて角の丸い小片となり、曇りガラスのような風合いになったもの。もともとはガラス瓶などの破片、つまりごみなのだけれど、水に濡れるとまるで宝石のようにキラキラと輝き、海の宝石とも呼ばれている。

「ビーチマネー」が誕生したのは2007年。ビーチクリーンで海岸に落ちているごみを拾うときに見つけたビーチグラス。それを加盟店へ持っていくと様々なサービスが受けられるという、湘南地域の地域通貨として始まったプロジェクトだ

「きっかけは『海のごみ拾いをしてくれてありがとう』という感謝の気持ちを伝えたいとの想いから。ごみがお金になる、というユニークなアイデアも注目されて活動に賛同する人たちが次々に現れ、現在加盟するビーチマネーショップは全国に181店舗まで増えました。海を越えて、台湾やハワイにも活動は広がっています」と、ビーチマネー運営事務局代表を務める堀直也さん。10年前に静岡県の南伊豆町に移住したことをきっかけに、現在は地元の人たちと交流を重ねながら、弓ヶ浜や白浜の海辺を拠点に活動を続けている。古き良き時代の物々交換のような、気持ちの交流を助けるコミュニケーションツールとして、ビーチマネーは海を愛する人たちの想いを形にして繋がれている。

「ビーチグラスは川の上流から流されてきます。波には同じ重さ、同じ形のものを同じ場所へ運ぶ性質があるので、ビーチグラスは小石や砂利の多い磯浜に落ちていることが多いんですよ」と、ビーチグラス探しのコツを伺いながら、地元のビーチマネーショップを巡ることに。

ダイゴ丸

地元で代々続く伊勢海老漁師の平山文敏さん。漁の網にかかった未利用魚をビーチマネーと交換してくれる。ブダイやカサゴなど漁に応じて日替わり。「まだ利用者はいないので、持ってきてくれるだけでも嬉しい!」/ダイゴ丸 静岡県賀茂郡南伊豆町下流110 ☎0558-65-0188

伊勢海老漁にかかった磯魚と交換してくれる、〈ダイゴ丸〉漁師の平山文敏さん。

SpiceDog

伊豆下田にあるカレーが人気のカフェ。「地元の海をきれいにしてくれたお礼に」と、ジュース類などランチのドリンクを1杯サービス。ノブさんの愛称で親しまれるオーナーの齋藤信義さんもベテランサーファー。/SpiceDog 静岡県下田市吉佐美1535-1 ☎0558-23-2845

カレーが人気のカフェ〈SpiceDog〉では、地元の海をきれいにしてくれてありがとう、という感謝の気持ちを込めてランチのドリンクを1杯サービス。