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現役東大生が解説!エベレストの標高が更新された理由とその測定技術

世界一高い山の本当の高さは?

標高を更新する2つの理由

昨年12月、あるニュースが発表されました。「エベレストの標高が変わるかもしれない」というものです。エベレストは、中国とネパールの国境にそびえる世界最高峰の山であることはみなさんご存知でしょう。12月8日、中国・ネパールの両政府は、エベレストの標高は、これまで広く知られていた8848mより86cmだけ高い8848.86mであると共同発表しました。

なぜ標高を更新する必要があったのでしょう? その理由は、
 1)エベレストの標高が少しずつ高くなっているから
そして
 2)エベレストの正しい標高には複数の候補が出されており、議論があったから
です。

地球の表面は、「プレート」と呼ばれる数十枚の硬い岩盤からなっています。プレートには大陸を構成する大陸プレートと海を構成する海洋プレートの二種類があります。

プレートとプレートの境界は常にせめぎあっており、それが様々な地面の動きをもたらすのです。日本の周辺では海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいます。日本列島は4つものプレートの境目に位置しているため、世界的に見て地震が多い、という話を耳にしたことがある方は多いでしょう。

エベレストを擁するヒマラヤ山脈も、プレートの境目にあります。ヒマラヤ山脈の下では、いずれも大陸プレートであるインドプレートとユーラシアプレートが、一方がもう一方の下に沈み込むということはなく、正面から衝突しています。

するとどうなるでしょう? 両側から押し込まれるような力を受けた地面が、その力に耐えられず、上に盛り上がっていきます。このようにして、エベレストほどの大きな山ができました。エベレストは長い年月をかけて大きくなってきましたし、今も少しずつ大きくなり続けているのです。

これが、エベレストの標高を更新しなければならない理由の1つです。

エベレストの山肌にはかつて海の底で堆積した地層がはっきりと見られる Photo by Galen Rowell/Gettyimages

2015年4月にネパールで発生した大きな地震が、エベレストの位置や標高にどのような影響を及ぼしたかも、科学者たちの関心を集めていました。

また、測定という行為にはいつも誤差が付きまといます。エベレストほどの高い山となればなおさらです。世界一有名な山なだけあって、各国の調査グループがエベレストの標高を測ってきましたが、それぞれのグループにより様々な候補が出されてきました。

今回の中国とネパールの測定には、その議論にはっきりとした答えを出そうという意図もありました。では、エベレストの標高の測定にはどんな歴史があり、どんな方法で測定されてきたのでしょうか。

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