2016年に渡仏。単身、金・コネ・語学力なしの状態から、ライター、バイヤー、コンサルティング業を経て、株式会社を設立したパリ在住のSAKIさん。日本で働いた経験や、コンサルティングや起業サロンの主宰を通じ、世界各国に住むさまざまな女性との関わりから、特に「日本での女性の働き方」「性別・人種の不平等」に問題意識を持つ。今回は、Netflixドラマ『エミリー、パリへ行く』を題材に、日本、フランス、アメリカのケースから考える、個人ビジネスの可能性と自分らしい働き方とは?

会社員の主人公がSNSビジネスを動かす

私が暮らすフランスでは、2020年の半分以上がステイホーム期間だった。おうち時間を楽しむ中でたくさんのドラマが注目されたが、中でも日本、フランス在住問わず女子の間で話題になったのがNetflixドラマ『エミリー、パリへ行く』だ。

主人公は、アメリカ・シカゴの医療系マーケティング会社で働くトレンドに敏感な女性エミリー・クーパー(リリー・コリンズ)。思いがけない展開により、フランス・パリのラグジュアリーブランドをマーケティングする会社に赴任することになった。“世界一エキサイティングなまち”での生活に向け期待に胸を膨らませながら、パリに到着するところから物語がスタート。アメリカ人のエミリーがパリで暮らし、言語の壁や国民性の違いに苦悩しながらも、仕事や恋を軽やかに楽しむ様子が描かれている。

エッフェル搭が見えるレストランで行われた会食パーティーでのひとコマ。初対面かつクライアントであるにもかかわらず、身体を寄せてエミリーを口説こうとするアントワーヌは、フランス人男性のステレオタイプとも言えるだろう。Photo by Netflix

エミリーは、そんなパリでの暮らしぶりを自身のインスタグラムに投稿。クロワッサンの美味しさや、公園で走り回る子どもの愛くるしさ、職場のフランス人との考え方の違いなど、日々の気づきをインスタグラムにアップすることで、はじめは数百人だったフォロワーが、ポストを重ねるにつれ数万、十数万......と増え、瞬く間に人気アカウントへと急成長を遂げる。インスタグラムと並行して発信しているTwitterでは、マクロン大統領のファーストレディ・ブリジットがリツイートするという驚きの展開も!

同作は、舞台であるフランスでも話題になり、フランス人やフランス在住の外国人がつぎつぎに感想や考察、パロディー動画をYouTubeに投稿している。

フランス在住の筆者としては、フランスの文化・恋愛観、フランス人の特徴、クロワッサンの美味しさなど、言及したいことは山ほどあるが、今回は、エミリーがインフルエンサーとして活躍したり、その個人での影響力をみて、会社がエミリーの実力を認めたことに着目し「個人ビジネス(フリーランス)」をする人がフランス、アメリカ、日本をはじめ世界中で増えてきていていることについて触れたいと思う。