「毎年、12月にもなれば富士山の山頂付近は雪で白く染まります。ところが、昨年は雪がほとんど積もっていませんでした。初めて見る光景なので、住民はみんな不安でたまりません」(静岡県沼津市在住の男性)
富士山に異変が起きている。12月下旬になっても、夏のような黒い山肌が目立っていたのだ。同時期に伊豆諸島で震度5弱などの地震が相次いだこともあり、これは噴火の「予兆」ではないかという声が専門家からも上がっている。
地球物理学者で武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏は、こう警鐘を鳴らす。
「1707年に起きた宝永大噴火以来、富士山は地下に大量のマグマを溜め続けています。いつ噴火してもおかしくない状況です。地下からマグマが上昇したことで山頂付近の温度が上がっていれば、雪が積もっていなくても不思議ではありません」
島村氏によると、12月になっても山肌が見えることや、伊豆諸島で頻発する地震は、予兆のひとつに過ぎないという。