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新型コロナとトコジラミに「意外な共通点」があった…!

都市生活に適応した生き物たち

トコジラミから見た世界

トコジラミという害虫がいる。

これは、かつてナンキンムシとも呼ばれていた寄生虫で、大きさは数ミリで、家の中の物陰に隠れていて、ベッドや布団に潜り込んで人間の血液を吸う。

名前はシラミだが、じっさいにはシラミの仲間ではなく、カメムシの一種だ。

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正月早々、わざわざ不潔っぽいトコジラミをとりあげたのは、べつにコロナウイルスがトコジラミから感染するという意味ではない。

トコジラミとコロナウイルスの間に興味深い共通点があるからだ。

それは、どちらも人間とコウモリの両方に寄生する生物で、おそらく元々はコウモリ(の祖先)を宿主とする寄生虫・寄生ウイルスに由来しているところだ。

トコジラミはもともと洞窟に住むコウモリに寄生していたので、周囲が石でできていて薄暗くて湿っぽい場所に適応していた生き物だ。

おそらく、人間が穴居生活を始めた頃に人間にも寄生し始め、やがて家屋の中に入り込んで、人間と共同生活(!?)するようになったと考えられている。

やがて、歴史が進むにつれて人間の生活は、洞窟よりも快適で便利になっていった。
その結果、現代の都市にあるエアコンの効いたコンクリートの建造物の片隅は、冬でも暖かく、洞窟にいた小型のムシにとってベストな環境になっているともいえるだろう。

 

ここで、(正月らしく)想像力をたくましくしてみよう。

人口密度の高い都市に林立する密閉度の高い建造物は、コウモリが群れで暮らす洞窟とどこか似通っていて、トコジラミにとってもコロナウイルスにとっても住み慣れた環境に近いのではないだろうか。