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中国・習近平が、「バイデン政権のアメリカ」を「本気で警戒している」理由

「最悪の事態」に備える中国

中国がバイデンを恐れるワケ

米中対立が激化した2020年は、中国にとって“外患”の重さを痛感する年となった。

従来から中国は、「経済の先行きには不透明感が漂う」と警戒してきたが、トランプ政権誕生前は、それは主に世界経済の下振れ圧力など長期低迷にかかわる問題——つまり、個人の力でどうこうできるわけではない問題への懸念だった。

それを分かりやすい「人災」(中国にとって)に変えたのがトランプ政権だ。同大統領の訪中前には、「何とか投資協定(投資活動をスムーズに行うための枠組み)の締結を」と中国が意気込んでいたのがウソのようだ。戦線の後退どころか、いまや自陣の防戦に力を入れるかたちになっている。

だが、その中国がトランプ政権を「厄介な相手」「面倒な相手」とは思いつつも、「手強い相手」とみていたかといえば、決してそうではない。昨今のメディアには、「トランプ大統領を恐れるあまり、バイデン政権の誕生を中国が待望し、来年は一息つく」との報道まで目立っている。だが、そんな空気が北京に流れているとは到底思えないのだ。

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理由は簡単だ。多くのスペースを割くことはしないが、そもそも冷戦後の歴代米政権がアジアに関心を向けなかったところに、自らを「太平洋国家」と位置づけ対外政策の重心をアジア・太平洋に移す「リバランス」を進めたのは民主党のオバマ政権であるわけだが、この米国主導の地域秩序の構築を道半ばで壊した犯人こそ、他ならぬトランプ大統領なのだ。

米海軍力の60%をアジアに振り向け、TPPで中国を経済的に包囲し、南シナ海ではフィリピンの尻を叩いてオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴させた。それらは、すべてオバマ時代のことだ。