心理カウンセラーとして数多くの家族問題の相談を受ける山脇由貴子さんのもとに訪れた、ある女性の相談。彼女は高学歴・高収入の夫を持ち、理想の結婚をしたかのように見えたが、いざカウンセリングを始めると、夫による想像を絶するモラハラを受けていることがわかったーー

「低能」「馬鹿」…繰り返される暴言

夫のモラハラに悩む妻が相談に来ました。

夫 峰岸 雄二(仮名) 46歳 外資系金融会社員
妻    綾子(仮名) 42歳 専業主婦
息子          中1

「夫のモラハラに耐えられないんです」彩子は言います。

「私の言うことはすべて否定されます。それに、毎日のように罵倒されるんです」雄二は東大卒。一方、綾子は高卒。「どうして私なんて選んでくれたんだろうって最初は感謝してました」東大卒の雄二は外資系金融会社に就職。年収は2500万円超。裕福な生活が出来ていることにも綾子は感謝しています。でも、と言うのです。

「『誰のおかげでこんな生活できてるか、分かってるよな』としょっちゅう言われます。そのたびに『あなたのおかげです。ありがとうございます』と言わなくちゃいけないんです。言わないでいると責められます。『お前は俺への感謝が足りないんだよ!』『反省しろ!』と言われ、何度も『謝れ!』と言われ、謝っても『謝り方が悪い!』と何時間も怒られ続けるんです」

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謝らせられるのはそれだけではありません。「主人が朝寝坊をすると、『なんで起こさなかった!』『お前は本当にダメな妻だ』と怒ります。私は何度も起こしているのに、起きないんです。ものすごく不機嫌で出かけ、帰って来るとまた『謝れ!』と言われます」

謝れ!と責める時、雄二は物を投げたり、壁を殴ったりすることもあると言います。もっと些細なことでも、否定されると言います。

「私がテレビを観て笑っていると『お前は本当に低能だな』と笑われます。『本当に馬鹿だな』というのもしょっちゅう言われます」

料理も「お前の作ったものは本当にまずい」と毎回のように言われるのだそうです。「お前は馬鹿だから料理が下手なんだ」「なんでこんなに不味く作れるんだ」などとも言われるのだそうです。綾子が夕飯の準備をしておいても「まずい」と言い、食べずにデリバリーを頼むことも頻繁だとか。

「私の作った料理は無駄になってしまうのですが、『捨てるな』『フードロス問題を知らないのか』と言われ、全部自分で食べるように言われます」