現在、特別養子縁組に向けて待機している嶺かおるさんが、遠距離恋愛の末、12歳年上のパートナーと「事実婚」をしたのは34歳のこと。そして不妊治療をはじめ、一時休止を経て、治療開始から2年後の36歳で不妊治療を終了した。お金と時間と労力とをかけてまで、なぜ自分たちは子どもを欲するのか…。

自問自答を繰り返す、嶺さんの思いの丈を綴るこの連載。今回は、不妊治療終了後、養子縁組に向けて動き出した時期を振り返っていただきました。

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第1回目 「事実婚」や「養子縁組」を選択するに至るまで
第2回目 病院で「夫の精子が少ない」と言われた日
第3回目 2年を費やした不妊治療を終了したワケ

養子縁組に向け、事実婚から法律婚へ

不妊治療を終えて、養子縁組を目指すことにしたトビー氏(夫。トビハゼ似)と私がまず行ったことは入籍だ。私は「自分の姓をキープしたい」という希望があったため、事実婚を選択していた。だが、特別養子縁組を目指す場合、入籍は避けられない。特別養子縁組で養親(養育する親)となる場合、法律婚をしていることが条件となっているからだ。

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養親になるにあたり、法律上は婚姻歴についての定めはないものの、多くのあっせん団体が、安定した夫婦生活を送っているという証明の目安として、養親になる条件に婚姻歴3年という規定を設けている。また、45歳を年齢上限として設けているケースが多い。これは、子どもが成人するまでに経済的に支えられるように、一般的な退職年齢である65歳をターゲットとしているものだ。

以前の記事にも記載したが、この時トビー氏の年齢はすでに48歳。養親の年齢制限の設定が緩く、女親年齢45歳、男親年齢50~55歳あたりを上限としている団体もあったが、ごく少数だったため、とにかくまずは入籍をしなければならなかった。いかんせん、48歳で入籍なわけだから、法律婚3年が経つ頃にトビー氏は51歳になってしまうのだ。

「夫(未届)」「妻(未届)」として住民票を届出した日からが実質的な婚姻生活のスタート日として主張しようという目論見もあったが、それが通用するかどうかわからなかったし、実際の入籍日は事実婚から2年経ったところなので、それでも婚姻歴3年に対しては1年足りない状況ではあった。

事実婚を選択するほど執着していた名字を捨て、トビー氏の名字になることにはもちろん強い抵抗があった。トビー氏に改姓を提案してみたが、もちろん受け入れられず…。結果、婚姻時に約束した通り、養子縁組を目指すことになった段階で私が改姓した。