最近よく見かける「日帰り手術」は安全なのか? 3つの手術を同時に受けてわかったこと

メリットとデメリットは何か
細川 幸一 プロフィール

日帰り手術が可能となった理由

耳鼻科の副鼻腔炎の手術を例に取ると、かつてはたいへんな手術だった。

副鼻腔とは、鼻腔に隣接した目の間や頬、おでこの奥にある4対の空洞のことだ。この空洞内を覆う粘膜が炎症を起こすのが副鼻腔炎だ。副鼻腔炎が慢性化すると、鼻の中の粘膜が膨れ、鼻腔をふさいで鼻づまりの症状に拍車をかける。

20年ほど前までは歯茎を切って頬の骨をノミで削って鼻腔にたまった膿や粘膜を取り出すという手術が一般的で、出血も多く、顔も腫れ、痛みも強かったので普通に食事ができるようになるまで数日かかり、退院までに1~2週間ほどかかっていた。

そのような手術が日帰りできるようになったのだ。ではどうしてそうしたことが可能になったのだろうか。

 

1. 器具の進歩

一番大きい要因は器具の進歩で手術内容が変化したことだ。こうした大手術が日帰りでできるようになったわけではない。内視鏡の登場で手術自体が変わったのだ。

内視鏡手術は、局所麻酔(もしくは全身麻酔)の後に鼻の穴から内視鏡を入れ、モニター画面を見ながら鼻腔内の患部を切除し、副鼻腔と鼻腔の通路を広げて空気や分泌物の出入りを良くする。

さらに最近は、マイクロデブリッターという膿を吸引しながら細かく削り取る画期的な装置が開発され、また、手術部位を洗浄して常に鮮明な画像が得られるなど飛躍的に機器が進化した。内視鏡手術によって大幅に侵襲度が低くなり、安全性も高まったのだ。

それでも副鼻腔は目や脳に近いためにその手術は危険を伴うので医師の技能・経験が必須だ。

さらに麻酔の影響も大きい。全身麻酔を要した手術が局所麻酔でできるようになり、全身麻酔でも麻酔が覚める時間が短く、すぐに立って歩けるなど、今まで難しかったことが可能になったのも大きな要因だ。

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