今や、男女の出会いの主流となった「マッチングアプリ」。

スマホ一つで相手を探せるという利便性は、出会い方だけでなく男女関係そのものにも大きな変化をもたらしたようです。

現実は小説より奇なり。当連載では欲望渦巻くマッチングアプリの「リアル」を徹底取材しました。

初回は、不倫沼にハマった39歳・主婦の体験談をお届けします。

「私、彼氏が2人いるんです」

【プロフィール】
名前:美紀(仮名)
年齢:39歳
職業:ECサイト経営
ステータス:既婚、一児の母
マッチングアプリ使用歴:約4ヶ月

「たぶん、コロナでストレスが極限まで溜まったんだと思います」

躊躇いや恥じらいは一切感じさせない口調で、美紀はハッキリとそう言った。

大きな瞳が印象的な品の良い顔立ち。栗色のロングヘアは大きなウェーブを描きながら艶々と輝いている。持ち物も身に付けている物も明らかに上質で、彼女はどう見ても裕福な人妻だ。

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「人が根本的に変わる時って、痛みが限界に達した時なんじゃないでしょうか。3月に緊急事態宣言が出されたとき、私、自分の人生に絶望したんです」

美紀がマッチングアプリを始めたのは、外出自粛要請が少しずつ緩和された夏頃。久しぶりに会ったママ友と「人妻のマッチングアプリ不倫が流行っているらしい」という噂話で盛り上がったことがきっかけだった。

「もちろんその時は、アプリで不倫をするなんて、別世界の頭のおかしな人種としか思ってませんでしたよ」

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けれどその後、スマホを見るたびにマッチングアプリの特集記事や広告が目に入るようになった。「不倫」という刺激的な噂話を聞いた直後だったから、好奇心でついそんな記事をクリックしてしまうことが増えた。

「“意外とみんなやってるんだ”と思い始めてから、アプリをインストールするまではすぐでした。でも……」

美紀の口元が綻ぶ。

「ただの興味本位だったのに、まさか、あっという間に彼氏が2人もできるなんて思ってもみませんでしたね」