2021年のお正月は、『逃げ恥』旋風が巻き起こる。2016年10月~12月に連続ドラマとして放送されたシリーズ最新作がスペシャルドラマとして帰ってくるからだ。題して『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBS系 2021年1月2日夜9時~)。スペシャルドラマ直前の1月1日、2日には一挙再放送も予定されており、復習もバッチリ可能だ。

『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル』(1月2日9時放送)より

海野つなみさんの原作マンガ『逃げるは恥だが役に立つ』は、2012年から2017年2月号まで「Kiss」で連載された。新垣結衣さんと星野源さんはじめ、石田ゆり子さん、古田新太さん、大谷亮平さんなどの素晴らしいキャストに加え、演出に金子文紀さんや土井裕泰さん、石井康晴さん、脚本・野木亜紀子さんという超豪華なドラマで、星野源さんの主題歌「恋」とともに「恋ダンス」も一大ブームとなった。

今回スペシャルドラマとして放映されるのは2019年から「Kiss」で連載が再スタート、2020年夏に終わったみくりと平匡の「その後」の話となる(10巻と11巻とで完結)。

本作の特徴の一つは、原作もドラマもそれぞれに最高のパフォーマンスを見せ、独立してみても十分面白いのに、マンガとドラマと合わせて楽しむとその楽しみが倍増するということ。「奇跡の実写化」と言われる本作の1月2日のスペシャルドラマ放映を記念し、原作者の海野つなみさんと、脚本家の野木亜紀子さんのスペシャル対談が実現!まずは2016年放送の逃げ恥ドラマの1巻~9巻のマンガとドラマを振り返り「今だから語れる逃げ恥」をお届けする

念のためのおさらい:『逃げるは恥だが役に立つ』大学院で心理学を学び、臨床心理士の資格も持っているが就活で全滅。職ナシ彼氏ナシ居場所ナシの森山みくり(新垣結衣)が、「プロの独身」サラリーマンの津崎平匡(星野源)と「契約結婚」をする。その「契約結婚」をめぐり、みくりの伯母であり、独身キャリアウーマンの百合ちゃん(石田ゆり子)や平匡の同僚・沼田(古田新太)、風見(大谷亮平)やみくりの友人のやっさん(真野恵里菜)などそれぞれの立場での、結婚・恋愛・仕事・お金・孤独など様々な悩みや喜びも描き出される。(原作1巻~9巻)

野木さんの脚本は職人芸だな、って

海野つなみ(以下、海野) お久しぶりです。

野木亜紀子(以下、野木) 最後にお会いしたの、一年前ですか。あっという間ですね。

海野 2019年の12月に一緒にナウシカ歌舞伎を観に行ったんですよね。ナウシカっぽい感じで行くって言って。

野木 海野さん、ちゃんと青き衣で降り立っていましたね。

ーーおふたりはtwitter上でもそうですが、すごく仲がいいイメージです。

野木 でも、こうやって一緒に遊びに行ったりするようになったのはドラマが終わってからですよね。

海野 そうそう。脚本家はあまり漫画家に近寄らせないような力が上から働いているのかなって思っていたんですけど。揉めたら大変だから。

野木 ああ、それはたしかに、逃げ恥に限らずどんな作品でもあるかもしれないです。原作者と脚本家が直接やりとりすることはない。原稿のお渡しや食事会があっても、必ずプロデューサーが間に入るし。海野さんとお会いしたのも、クランクイン前の顔合わせで少しご挨拶をしたくらいで。

ただ、毎回原稿をお渡しすると、海野先生絶対に褒め言葉から入る返信をくれていたじゃないですか。あれがすごく嬉しくて。なんていい人なんだろうと思っていました。

海野 いやもう、だってあれは本当に面白いんですもん。褒めるしかない。場面ごとに面白いポイントも切り替わっていくから、自分の作品のはずなのに「こうきたか〜」って思いながら読んでしまう。漫画にないエピソードもすごく自然にちゃんと面白い形で入れ込んでくるし、「あそこのシーンカットされたんだあ」って思っていたら後からうまいことつなげたりしてくる。ほんと職人芸だな、って。