1984年のスティーブ・ジョブズ。Photo by GettyImages
2021.01.01

天才たちは、美意識がイノベーションに成功をもたらすと知っていた

マーケターや営業マンに仕切らせるな
AIが能力をもっと高めたら、人間にできることは何なのだろうか。今年も「人間の創造性とは何か」が繰り返し問われることになりそうだ。テクノロジーを産業に結びつけた天才たちの群像を一つのストーリーに織りなしたウォルータ・アイザックソン『イノベーターズ』から、著者が見つけ出したイノベーション創造の秘密をお伝えしよう。

マーケティングよりプロダクト志向

群を抜くデジタル時代の成功例を率いたのは、いずれも、明確なビジョンを打ち出すとともにコラボレーションをはぐくむリーダーである。このふたつは、相反する特質ととらえられることが多い。リーダーになる人物は包容力が際立つタイプか情熱的なビジョナリーか、いずれかだと思われがちなのだ。だが、最高のリーダーは両方を兼ねそなえている。激しやすい強烈な個性で知られるスティーブ・ジョブズとビル・ゲイツでさえ、優秀なチームを集め、忠誠をあおる術を心得ていた。

異才の持ち主であっても、コラボレーションができなければ失敗しがちだ。逆に、コラボレーションの精神があっても、情熱や一徹なビジョナリーがいなければ失敗する。トランジスタを発表したのち、ベル研究所は迷走した。1985年にジョブズを追放したあとのアップルもそうなった。

グーグルのラリー・ペイジ。Photo by GettyImages
 

成功したイノベーターやアントレプレナーの多くには、共通点がひとつある。プロダクト志向ということだ。エンジニアリングとデザインを大切にしていたし、深く理解していた。本質的にマーケターや営業マンではなく、財務畑でもない。そういうタイプが会社を引き継ぐと、イノベーションは途絶しがちだ。「営業タイプが会社を仕切るようになると、プロダクト志向タイプは軽んじられ、離れていくんだ」とジョブズがかつて言っている。ラリー・ペイジも同意見だ。

「最高のリーダーは、エンジニアリングとプロダクトデザインをだれよりもよく理解しているものです」

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