恋つづブームで大ブレイク
上白石萌音と浜辺美波、そして萌音の妹である萌歌(20)が参加したのは第7回。約4万4000人が応募した。グランプリに輝いたのは萌歌だった。審査員特別賞の萌音は感涙を浮かべていたが、萌歌はにこにこと笑っていた。
当時の萌歌は長澤よりさらに若い10歳。大きな瞳とエキゾチックな顔立ちが審査員たちの目を引いたとされている。やはり目が選ぶ際のポイントらしい。

3人もやっぱり清純派。さらに萌音と萌歌の場合、身近にいそうな親しみやすさも魅力だ(実際にはいないが)。そんな個性が生きた一例は萌音が出演したTBS『恋はつづくよどこまでも』(2019年)だろう。
役柄は失敗ばかりの新米看護師・佐倉七瀬。そもそも看護師なったのは医師・天堂浬(佐藤健、31)に憧れたからで、動機も不純。下手をすると反感を買う役柄だったが、親近感を湧かせやすい萌音の個性と演技によって、それは防がれた。

一方、萌歌には透明感と声の良さが個性に加わる。今年9月から10月に放送された江口洋介(52)の主演作『天使にリクエストを〜人生最後の願い〜』(NHK)でもそれは生かされ、ヒロイン・小嶋亜花里役を好演した。
亜花里役では相手を見つめる時の瞳が澄んでいた。これを審査員たちは高く買ったのだろう。まだまだ伸びる人に違いない。
ちなみに萌歌に贈られたグランプリ賞金は100万円。直近の第8回も300万円で、そう高額ではない。応募者たちは東宝シンデレラというブランドに魅力を感じるのだろう。

浜辺は20歳にして早くも貫禄が備わってきた。演技はもちろん、映画の初日挨拶などでの振る舞いも堂々としている。同年代のアイドルたちとは一味違い、まるで往年の若手映画女優のよう。正統派美人ということもあって、引っ張りだこの状態が続くのではないか。
第1回の沢口から若手勢まで活躍中の東宝シンデレラ。黄金期とも言える。