西側軽蔑の「フェイク」画像に熱狂…! 中国戦狼ポピュリズムの暴走

「米国は衰退し今や中国が優越」
古畑 康雄 プロフィール

一躍注目された「戦狼芸術家」

この画像を作ったのは、「烏合麒麟」というペンネームのCG(コンピューター・グラフィック)画家だ。「80後(1980年代生まれ)」という彼は趙がツイッターに掲載する1週間前の11月23日にこの画像を微博で発表している。

ロイター電(12月2日報道)によれば、「戦狼芸術家」(wolf warrior artist)と自称する彼が注目を集めたのは、2019年香港の逃亡犯条例改正反対(反送中)デモだったという。

自らの微博アカウントに公開した、「進撃的国漫人」(進撃の中国人漫画家)という番組の映像で、彼は制作の動機を、「自国の領土である香港のデモに外部勢力の浸透があると知ったことがきっかけだ」と語っている。

「テロや暴力は批判されるべきなのに、彼ら“暴力分子”は漫画や文芸作品を使って、暴力を美化し粉飾した。香港警察を醜く、自分たちをカッコよく描いた。そこで自分は自分の武器を使って反撃したのだ」-彼はこう述べ、火炎瓶を持った自由の女神に香港の活動家が跪く「偽物の神(偽神)」というCGを発表した。

烏合麒麟「偽神」

さらに、中国武漢市から世界へと広がった新型コロナウイルスについて、武漢在住の作家、方方さんがロックダウン(都市封鎖)下での市民生活をつづり、国際的な反響を呼んだ「武漢日記」が海外で出版された(日本でも9月に出版された)ことについても、「中国がまさに西側のあらゆるメディアから(ウイルス発生の責任について)攻撃を受けていた時に、ドイツで日記が出版されることになった。このニュースを知って、(怒りの)感情がこみ上げ、微博に“国賊”と書き込んだ」と語っている。

そして「臣下に冠を授ける(為弄臣加冕)」という、刃物が刺さった血染めの本を手にかしずくピエロ(方方さん)に王様が冠を授ける絵を微博で発表した。

烏合麒麟「為弄臣加冕」

「自分は断固とした国家主義者だ。自分はまず中国人であり、その次に文芸工作者なのだ。創作は自由だが、国家意識を持たねばならない。自分だったらまず外国での出版を断っていただろう」彼は番組でこう語っている。

ロイター電は、烏合麒麟が中国政府や共産党とどのような関係にあるかは不明だとしているが、共産主義青年団主催のイベントなどにも呼ばれており、さらに趙報道官が自らの作品をツイッターで紹介したことに感激したと微博に書き込んでいる。

そしてモリソン首相の批判に対して、これに反論する形の「モリソンへ」という別の作品を発表(12月1日)したほか、(中国政府が定めた南京事件の記念日である)12月13日の「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」には南京の慰霊碑が靖国神社を押しつぶす画像を公開した。

 
烏合麒麟「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」

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