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見落とされたマザーズ上場企業の「粉飾決算」…責任はみずほ証券だけのものか

今、東証がどこかおかしくなっている

揺らぐ東証マザーズの信頼感

118億円の売上高の97%が架空のもので上場から半年余りで破綻して上場廃止になった半導体製造装置メーカー「エフオーアイ」の粉飾決算事件に関連して、最高裁第3小法廷が12月22日、上場主幹事を務めたみずほ証券も損害賠償責任を免れないとの判断を示した。

証券投資の世界では、投資は他の誰でもなく、投資者本人の判断と責任において行うべきものだとする「自己責任原則」が鉄則だ。しかし、肝心の企業が粉飾決算をしていては、投資判断に必要な正確な情報が開示されていないことになり、「自己責任原則」が成り立たない。

エフオーアイが上場していた東証マザーズは、成長力のある新興企業に門戸を開くことでリターンの大きい投資機会を投資家に提供するのが特色だ。だからと言って、粉飾のようなフェイク・インフォメーションが罷り通る状況を放置していては、閑古鳥の鳴く市場になりかねない。

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折から、東京証券取引所は、マザーズや東証1部など4つに分かれている市場を2022年4月に「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3つに再編する市場振興策を推進中だが、単なる器の作り替えに終始している感が拭えない

というのは、降格を嫌がる上場企業の反発を抑えられず甘い経過措置を設けた結果、プライム市場を選りすぐりの企業だけにするという当初の狙いが果たされそうにないからである。

こんな魂の入らない市場運営を繰り返していては、市場の信頼と魅力は回復しない。31年の長きにわたって日経平均株価が高値を更新できない東京市場に活力を取り戻す施策として力不足の感が否めない。

まずは、最高裁が先週、みずほ証券に損害賠償責任の免責を認めなかった粉飾決算事件を見ておこう。舞台となったのは、2009年11月に東証マザーズに上場したエフオーアイだ。

この会社は神奈川県相模原市に本社を置き、プラズマ微細処理制御技術で高い評価を受けているという触れ込みだった。有価証券報告書によると、2009年3月期の売上高は前期比24.8%増の118億5596万円となっていた。

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