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政治的信条の見えない棒読みの答弁…窮地に立たされた菅首相の「言葉力」

自らの言葉で答弁を

地上を這うアリの目線

僅かであるが菅義偉首相をよく知る人たちの間では、菅氏が「アリの目線」の政治家であるとの見方で一致する。

「アリの目線」の真逆は「鳥の目線」である。政治家の評価という観点での意味を考えてみる。

地上を這うアリの目線は低く、天空から地上を見据える鳥の目線は当然ながら高い。日本にはミミズや虫の死骸を食べる雑食性の黒アリが多く、エサを持って運ぶ習性がある。因みに砂糖や蜜を好む吸蜜性のアリはエサを持って運ぶ習性が弱い。従って、本稿で指摘する政治家の「アリの目線」という場合は黒アリを指す。

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では、菅氏が「アリの目線」の政治家であるとすれば、どう受け止めるべきなのか。地上を這いまわりエサを見つけて、それを女王が待つ巣まで運ぶのが課せられた仕事だ。もちろん、自分も虫の死骸などを好んで食べる。

アリに例えるのは恐縮だが、「菅流」の政治手法に当てはめてみる。政権が直面する数多の政治課題にプライオリティ(優先順位)を付けて素早く解決する能力は抜群である。すなわち、女王アリに喜ばれるエサを見つけて一刻も早く巣まで運ぶ黒アリということだ。

要は、求められる仕事の成果を間違いなく上げるだけではなく、そこに至る過程で難題に直面しても決してぶれることがない政治家なのだ。とりわけ、それは7年8カ月余の官房長官時代に際立っていた。「アリの目線」で相次ぐ諸問題を確実にクリアしてきたのだ。