10月に「スカート猫さん」のマルちゃんというSNSで人気の猫さんを記事で紹介した。皮膚疾患を持っているマルちゃん。かわいい写真はもちろんのこと、「うちの子も皮膚疾患で悩んでいます」といった犬猫オーナーさんからの共感や切実な声が驚くほど多く届いた。

常にかゆがり、かゆくてなめ壊して出血したり……。ジュクジュク化膿し、いつまでも治らない……。掻いちゃダメ、触っちゃダメと言っても、ペットが故になかなか伝わらず、かゆみに苦しむペットとともに、飼い主もつらい気持ちを味わう。人間の皮膚疾患もつらいが、ペットの皮膚疾患も大変なのだ。

エリザベスカラーで掻くのを防御したり、犬や猫にとってもかゆみはとても不自由で不愉快な症状。photo/iStock

獣医師で作家の片川優子さんのところにも、そんな皮膚トラブルに悩む犬や猫の診察がとても多いと話す。今回は、そんな想像以上に悩んでいるオーナーさんが多いペットの皮膚トラブルについてお届けする。

獣医師で作家の片川優子さん連載「ペットと生きるために大切なこと」。自身も犬と猫を飼っている片川さんが、獣医師と飼い主の立場からペットと幸せに暮らすための知識をわかりやすくレクチャー。

片川優子さん連載「ペットと生きるために大切なこと」今までの記事はこちら

犬の皮膚は人間の1/3の厚み、この季節の乾燥は大敵

先日、初診のプードルのオーナーが「うちの犬、トリミングの後は体をかゆがるんです」と話していた。犬の体を見ると、乾燥して細かなフケやシワができている。

どんなに皮膚に優しいシャンプーでも、少なからず皮膚の水分保持機能を奪い、乾燥させてしまう。元々乾燥傾向の強い犬では、冬のシャンプーはかゆみの原因になってしまうこともある。しっかりとシャンプー後に保湿することが大切だ。

人間の1/3の厚みしかない犬の皮膚。冬は人間以上に乾燥する。そのことを頭においてケアを。photo/iStock

犬に保湿剤なんて、と思うかもしれないが、皮膚が乾燥している犬は意外と多い。そもそも犬の皮膚は人間の大人の皮膚の1/3程度の厚みしかないので、特に毛が薄かったり、トリミングでカットされて毛がない下腹部などは、乾燥によってかゆみが生じたり、フケが出ることもある。

乾燥した皮膚に適切な保湿剤を使うことによって、皮膚を健康な状態に保ち、本来の皮膚が持つバリア機能を取り戻すことができる。