青い空と海、そして白い砂浜、綺麗な空気をイメージしてください。特に還暦間近になった「残りの余生は自然に囲まれて暮らしたいなぁ」と思う人は少なくないのではないでしょうか。
定年まではとりあえず「コンクリートジャングルの社畜」で我慢をするけれど、それ以降はもうごめん。上から目線の上司、わがまま放題の取引先、そしてサービス残業オーライの会社……すべてから解放されて、悠々自適な老後生活を満喫したい。それなら国内の田舎暮らしもいいけれど、やっぱり海外。気候は温暖で過ごしやすいし、たっぷりの自然に囲まれて癒されるし、何より物価が安いのは助かる。だって年金はこれから減らされる一方なのだから――ということで、「海外移住」は夢そのものです。
今回の相談者・長友定男さん(78歳。仮名)はコロナ前に東南アジアへの移住を実現しました。妻(76歳)と2人で移り住み、今年で10年目。「今が楽しければそれでいい」と趣味のゴルフ三昧。悠々自適の生活を満喫することができたのは経済的に盤石だったからです。
夫婦が日本に残したのは300万円だけ。
それ以外の財産(退職金や保険金、貯蓄など)5100万円は現地の銀行に900万円、居住用のコテージに2200万円、賃貸用のコテージに2000万円を充てたそう。コテージの賃料として年260万円、そして定男さんの厚生年金として年300万円の収入があれば十分すぎるほどでした。