〔PHOTO〕Gettyimages

ドイツの「ワクチンフィーバー」その確保量と購入金額はいかほどか

メルケル首相も舞い上がり気味だけど

ドイツのワクチン事情

12月8日に英国で接種が始まった新型コロナのワクチンは、米ファイザー社と独バイオンテック社の合同作品だ。

ファイザー社は160年以上もの歴史を誇る製薬会社で、世界で名高い抗生物質「テラマイシン」は同社の発見。1949年以来、多くの人々を救った。ちなみに男性を救う(?)バイアグラもファイザーの製品だ。

一方、ドイツのバイオンテック社は、2008年に作られた会社なので新興企業と言える。創設者、兼CEOのウール・シャヒン(Uğur Şahin)氏はガンや免疫の研究者。妻のオツレム・ティレジ(Özlem Türeci)氏は医師で共同経営者。二人ともトルコ系ドイツ人だ。

SWR(南西ドイツ放送)のインタビュー記事によれば、シャヒン氏は今年の1月、武漢のコロナ蔓延のニュースを見て、自分たちのそれまでの研究をコロナワクチンの製造に利用しようと思いついた。その後、これほど短期間にワクチンを開発できたのは、過去20年来の基礎研究のおかげだったとか。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

17日には、メルケル首相がバイオンテックのシャヒン、ティレジ両氏とビデオで会見し、最高の賛辞を贈った。ドイツの教育・研究相も、「世界中がバイオンテックを見ている!」という舞い上がり方。そして、このワクチンは、12月21日、EUで緊急に認可された。

当然のことながら、二人はたちまち億万長者になってしまい、現在、シャヒン氏の推定資産額が51億ドル(約5280億円)とか。

EUでは現在、医薬品の認可は統一されている。だから、アメリカやイギリス、ロシア、イスラエルなどが早々にコロナワクチンを打ち始めていた時も、ドイツ政府はまだバイオンテックのワクチンを市場に投入することができず、ヤキモキしていた。そこで、EUの当該部門にかなりのプレッシャーをかけて認可を急がせた。

そして、認可後は、EUが共同でワクチンを注文し、人口に応じて各国に分配し、12月27日から大量摂取が開始される予定だ。

現在、ドイツでは全国400ヵ所に、予防接種センターが急造されている。ちなみに今回は緊急認可という例外措置のため、もし、後で副作用などの被害が出ても製薬会社には補償の義務がなく、その代わりに国が補償するという決まりだそうだ。