コロナウイルスが猛威をふるい続けている今冬。Go To トラベルは停止となり、お正月休みの帰省についても自粛を促す声が上がっている。そこで、今年のお正月はどこへも出かけず一人マンションにこもる、という選択をした人も多いだろう。伝統的家族行事と言われるお正月。孤独で心が沈み込んでしまわないよう、精神科医のTomy先生に“一人お正月対策”を伺った。取材・文/山本奈緒子

なるべく「余計なこと」を考えない 

――まわりが家族で過ごしている中、自分だけが一人だと凹んでしまいそうです。孤独を感じないためにはどう過ごすのがオススメですか?

Tomy:一番は、できるだけ孤独にならない環境を作ることです。誰かと電話で話したり、オンライン飲み会を開いたり。一人でゴロゴロするのが楽しいという人はそれもいいと思いますが、その時間もあまり長いと余計なことを考えてしまう恐れがあります。

もう一つオススメなのは、何かを作る、という過ごし方です。製作という行為は生産性があるので虚しさを感じにくいですし、何かを作り上げて達成する充実感もあります。私などは長期のお休みのときは大抵、大好きなコーヒーを飲みながら本の原稿を書くのですが、そうすると時間がわりとすぐに過ぎていきます。

Photo by iStock

この季節なら、大掃除をするのも良いと思います。一種、きれいな部屋を作り上げるという製作作業ですし、一心不乱に床や窓を磨いていると、余計なことも考えないでしょう。また、物を捨てると部屋の中の情報量が減りますから、脳のリラックスにもつながります。ただしインテリアの変更はやめたほうがいいかもしれません。家具を配置替えしたいのに一人で動かせず、かえって孤独を感じるかもしれませんから。

――よく、休日も1日中家にいることができず必ず出かける、といった人がいます。でもお正月は家族連れが多く、一人では出かけづらいもの。そういった人はどうすればいいですか?

Tomy:家にずっといるのが苦手な人というのは、孤独を感じやすい人だと言えるでしょう。でも人は、人生の最後は一人になるものです。『凪のお暇』というドラマで、三田佳子さんが、旅館を継ぎたくなくて家を飛び出した過去がある、というおばあさんを演じていました。

彼女は妹が病気になって一人で老人ホームにいることを知り地元に戻るのですが、その妹が言ったのが「最後はみんな一人なのよね」というひと言。これは真理です。これからの時代、子や孫に囲まれて最後まで暮らす、なんて人はどれだけいることでしょう。多くの人は、配偶者に先立たれ一人で暮らしたり、あるいは病気になって一人で入院する、といった状況に遭遇するのではないでしょうか。

遅かれ早かれ“一人力”というものは試されます。だからこそ、孤独を感じやすい人はチャンスだと思って、一人力を鍛えると良いと思います。