澄んだ空気を吸い込む、森林セラピー

ワーケーションのスケジュールに組み込みたいのが、奥多摩駅より徒歩15分、日本初の森林セラピー専用ロードとして親しまれる「登計トレイル」だ。歩行距離 約1.3キロ、歩行時間 約40分という気軽さながら、奥多摩のうつくしい山々が一望できる絶景トレッキングコースだ。

ガイドは、森林保全に取り組む一般財団法人おくたま地域振興財団 齋藤美保子さん。体が不自由な方にも利用いただけるように「車椅子用モノレール」を設置している

比較的緩やかな傾斜なうえ、遊歩道にはスギやヒノキのチップが敷かれクッション性があるため歩きやすい。澄んだ空気を吸い込みながら歩き進めると、ところどころにベンチや椅子が設置されおり、いつでも休憩できるようになっている。

空や星を眺められるようにと、座席が斜めに設計されている。「深呼吸するだけで気持ちが楽になる」(FRaU編集長兼プロデューサー関龍彦)

訪れたのは紅葉の見頃を終えたばかりの11月下旬。びっしりと冬芽をつけた木々の枝や、指でこすると天然アロマのようなやさしい香りのするカツラの葉、まだ20センチにも満たない小さなスギやヒノキの稚樹をはじめ、森林をゆっくりと歩き進めると、めずらしい木々や実、さまざまな野鳥や虫に出会うことができる。

春を静かに待ちわびるような冬芽
切り株から育つスギの稚樹が仲良く並ぶ

トレッキングの中盤にぜひ取り入れたいのが“森のお昼寝”。本当に眠るわけではないが、断熱シートの上に横たわり、深呼吸をしながら静かに目を閉じると、深いリラックス状態に導かれる。鳥の声や風に揺られ葉が重なり合う音が、静まり返った森林にやさしく響いていることに気づく。

「海や山と違って『森に行く』とは、あまり聞かないように、『森』そのものが、人々の生活に入り込んでいない。もっと森を身近に感じてもらうためには、どうすれば良いかが課題ですね。例えば、『東京・森と市庭』を見学したように、会社が自然に触れる機会をつくる仕組みを取り入れれば良いのでは」(株式会社ダンクソフト 企画チーム ダイバーシティ推進マネージャー中香織さん)

目を閉じてたったの10分足らずの休息でも、眠ってしまう人もいるのだとか

「奥多摩森林セラピー」に申し込みをすれば、トイレやキッチン、暖炉にテーブルのある素敵なロッジを利用することができる。ツアーにはお弁当がついてるのでみんなで食事をしたり、お茶を飲んだり......と、全方位うつくしい草木に囲まれたガラス張りの部屋で過ごす贅沢なひと時は、森林空間の在り方を考えさせられる貴重な時間となるだろう。

休憩施設「ステーション2」は、「奥多摩森林セラピー」への申し込みが必要となる

DATA
一般財団法人 おくたま地域振興財団
東京都西多摩郡奥多摩町氷川215-6
TEL:0428-83-8855
https://www.okutama-therapy.com/

森林空間の価値と可能性を見出す探求ツアー後編では、素敵な宿泊施設にて参加者によるトークセッションの様子をお届けします。

撮影/嶋田礼奈 取材・文/大森奈奈