スウェーデンでは毎年12月になると、クリスマスの24日までの期間限定で、毎日15分のクリスマスにちなんだファミリー向けドラマが国営放送SVTで放映される。日本で例えると、世代関係なく人気があるNHKの朝ドラのクリスマス期間限定版、というところだろうか。1960年から毎年続くこのクリスマス連ドラは、みんなから『ユールカレンダー(クリスマスカレンダー)』とばれ、スウェーデンのクリスマスに欠かせない、伝統的風物詩のひとつともいえる。

日本の朝ドラ的存在のスウェーデンのクリスマスドラマ『julkalendern MIRAKEL(奇跡)』。画像/『julkalendern MIRAKEL』サイト(Sveriges Television)より

スウェーデンで過ごす3回目のクリスマス、私は今年初めてこのドラマを観ることにしたいる。そして、その内容に驚いた。「スウェーデンの子どもを守る」本気度を感じる場面が織り込まれていたからだ。

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ドラマの中のセリフにグッときた!

今年のタイトルは『MIRAKEL(奇跡)』で、ストーリーは、家に突如現れたブラックホールを通じ、今から100年前の1920年に生きる女の子ラーケルと、2020年に生きる女の子ミラの中身が入れ替わってしまうという展開だ。中身が入れ替わることによって、異なる時代を垣間見ることになるのだが、そこに驚きの描写があった。

動画/Sveriges Television(youtube)

今でこそ、ジェンダー平等、福祉、人権といった面で先進的なイメージの強いスウェーデンだが、100年前は、今からは想像もつかない社会が広がっていた。女性に選挙権が認められるのは1921年なので、1920年ではまだ女性の参政権はないし、体罰なども日常的に広く受け入れられていた。貧困も蔓延り、貧しい身分から這い上がるのは容易なことではなかった。義務教育になるも30年代以降なので、学校に行くことができない子どもたちもたくさん存在する。

そんな不平等が蔓延する時代に、上流階級の家庭に生まれ育ったラーケルは、学校に通っている。中身が入れ替わった後は、2020年の女の子(ミラ)が1920年の学校にタイムスリップするような形だ。そこで彼女は、騒いだクラスメイトの手の甲を教師が長い木の棒でビシッと叩くという体罰を目撃する。

外見はラーケルでも中身は21世紀のミラである彼女は、間髪を入れず席を立ち、こう言い放った。
「何してるんですか!子どもを叩くなんて許されないです、『Bris』に訴えます!」