マイナンバーカードの利用促進が大きく進展しそうだ。政府は経済対策でのデジタル改革の中核に「マイナンバーカードの普及促進・更なる利活用」を据えている。マイナンバーカードはどのように進化し、使われていくのか。
政府は4月20日の経済対策「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に「マイナンバー・マイナンバーカードの更なる活用も見据えた検討」を盛り込んだ。
その後、特別定額給付金など各種給付金の支給事務が混乱したこともあり、マイナンバーカードの利用促進に大きく舵を切った。
12月18日の新たな経済対策「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」では、「マイナンバーカードの普及促進・更なる利活用」が盛り込まれた。
経済対策では、「各種手続のオンライン申請に利用できるマイナンバーカードは、行政のデジタル化のカギである。令和4年(2022年)度中に、ほぼ全国民に行き渡らせることを目指している一方、現在の普及率は 20%台となっており、普及速度の大幅な加速が必要である」として、「マイナポイントの更なる活用や、健康保険証や運転免許証との一体化等も通じたマイナンバーカードの普及促進を集中的に行う。同時に、各行政手続とシステムとの連結を適切に行うなどその利活用を促進する」ことが明記された。
マイナンバーは2015年10月に国内の全住民に番号が付けられた。2016年1月からは年金関係を除き、国税、地方税、社会保障関係手続での利用が開始されている。
その後、異なる行政機関間で専用の情報提供ネットワークシステムを用いることで、各種手続きの際に住民が提出する書類を省略可能とする「情報連携」が本格的に運用された。