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巷を騒がす「ガソリン車販売禁止」の正しい読み方

日本からガソリン車が消える!?

国と東京都が「ガソリン車の販売を禁止する」と言い出した。どちらも正式発表ではないが、方向性を明確にしたということ。しかし、これをそのまま 「今後は電気自動車しか売れない」と理解するのは間違い。今、知っておくべき事実を整理する。

文/池田直渡(モータージャーナリスト)

※12月24日発売『ベストカー』(2021年1月26日号)の注目記事を紹介します。

突如聞こえ出した噂の真偽は?

2030年代半ばまでにガソリン車の販売が禁止になる!そういう衝撃的ニュースが駆け巡ったが、そもそもが大きな誤解で、それは大手メディアのタイトルのせいだ。

菅内閣は’30年代半ばまでに、そして、東京都は’30年までに純粋なガソリン車、つまり「ガソリンエンジンのみでモーターを持たないクルマ」を禁じると表明しているだけで、当然マイルドハイブリッドやハイブリッドはOK。従来との違いは、純ガソリン動力のクルマだけだ。

軽自動車でもマイルドハイブリッドが普及し始めている現在、それは特に驚くほどの大変更ではない。しかしこれを大手メディアが「菅内閣が’30年にガソリンエンジン禁止を発表!」という騙しタイトルで拡散した結果、真実がねじ曲がって伝わって騒ぎが拡大しているのが現状である。

マツダが示している電動車の種類。一般的に電動車=EVと思われがちだが、マイルドハイブリッドからレンジエクステンダーEV、燃料電池まで、その種類は豊富にある。サイズ、重量や用途によって各車に最適なパワーユニットを選択していくことが大切だ。

菅内閣の重点課題のひとつにカーボンニュートラルがある。京都議定書以来30年間、気候変動は人類全体にとって大きな問題であり続けてきた。

そのなかで、菅内閣の取り組みが従来と違うのは脱CO2を日本の経済成長戦略と位置付けたことだ。首相発言を抜き出すと、「’50年カーボンニュートラルへの挑戦は、日本の新たな成長戦略です。この挑戦を産業構造や経済社会の発展につなげ、経済と環境の好循環を生み出していきたいと思います」とある。

つまり「人類全体の課題を解決する技術はビジネスになる」という考え方で、それ自体はたぶん間違っていない。ただ大手メディアの煽りで世論が極論へ振れるにつけて、首相の発言がエスカレートしつつあり、ついに’50年までにCO2ゼロを法制化するという話まで出始めた。ロードマップがあるならいいが、何もなしに無責任に言うのはやめてもらいたい。

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