2020.12.24
# 新型コロナウイルス

「コロナ変異種」も確認されたイタリア、いよいよ「試練のクリスマス」が始まる!

「クリスマスは権利だ」という人も…
鈴木 圭 プロフィール

感染対策の基準は「実効再生産数」

感染状況に合わせて州ごとにゾーン分けし、規制内容を変えるというイタリアの感染対策だが、このゾーン分けの根拠の一つとなっているのが毎週発表される「実効再生産数」だ。これはすでに感染が広がっている状況の中で、1人の感染者が次に平均何人にうつすかを示す指標で「Rt」の記号で表される。

たとえば「Rt2」の場合、1人の感染者から2人にうつる。次は4人、その次は8人……とねずみ算式に増えていくため、感染はかなりの勢いで拡大していることを意味する。逆にRt1以下の場合は、感染が収束していることを示している。

Rtの数値が低くても感染者数が多いケースもあるため、必ずしもこの数値だけが基準ではないが、感染対策の内容を決める基準の一つとして注目されている。

ロックダウン直前の10月30日に発表された実効再生産数を州ごとに見てみると、当初レッドゾーンに指定されたロンバルディア州は2.09、ピエモンテ州は2.16と非常に高い数値を示しているのに対し、ローマを州都とするラツィオ州(イエローゾーン)は1.51となっている。

 

経済は止めずに感染拡大は止めたい、政府のジレンマ

実効再生産数はいわば感染拡大の勢いを表す数値で、これを基準にした感染対策はいかにも納得感がある。しかし、よくこの数字を観察してみると、これ以上ロックダウンを続けることができないという政府のジレンマも見え隠れする。

ロンバルディア州を例に取ってみると、ロックダウンが解除(レッドゾーンからオレンジゾーンへ)される直前の11月27日に発表された実効再生産数は1.24であった。ロックダウン前の2.09に比べるとかなり下がっていたものの、この数字はまだ感染が拡大中であることを示している

当日の新規感染者数も5,389人(イタリア全体では28,352人)と決して少ない数字ではない。さらに言うなら規制解除までの期間はわずか3週間で、2ヶ月もかけて入念にロックダウンを行った第1波と比べると、ずいぶん早急に解除した印象がある。

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