「コロナ変異種」も確認されたイタリア、いよいよ「試練のクリスマス」が始まる!
「クリスマスは権利だ」という人も…12月20日、イタリアでも変異種が確認され、警戒が強まっている。政府はイタリア全域のクリスマスと年末年始のロックダウンを決めたが、はたして感染拡大に歯止めをかけることはできるだろうか? イタリア、ミラノ在住の記者、鈴木圭氏による緊急寄稿。
感染状況で「規制の強さ」を変えるイタリアの対策
欧州では新型コロナウイルスの第2波が到達し、外出規制や商店の閉鎖などの対策を強いられている。すでに2度目のロックダウンを経験した国も多く、クリスマスを前にして市民の生活や経済には大きな影響が出ている。
イタリアではこれまで抑えられていた感染者数が10月中旬ごろから急増、これを受けて11月6日からロックダウンを開始した。といっても3〜4月の第1波のように一律で外出禁止にするわけではなく、感染者数や増加状況によって州ごとに赤、オレンジ、黄色に色分けし、それぞれに異なる規制をかける方式だ。
当初レッドゾーンに指定され、最も強い規制がかけられたのはミラノを州都とするロンバルディア州のほか、ピエモンテ州、ヴァッレ・ダオスタ州、カラブリア州の4つの州だ。
これらの州では食料品の買い出しや仕事、病院など必要な理由がない限り外出は禁止、さらに生活必需品を扱う商店以外は閉鎖するという、前回のロックダウンとほぼ同等の措置がとられた。

オレンジゾーンに指定されたプーリア州とシチリア州はレッドゾーンよりは規制が緩やかなものの、夜間22〜翌5時は外出禁止、さらに自治体を越える移動も禁止となった。それ以外のイエローゾーンの州については外出可能で商店も営業できるものの、週末のショッピングセンターは閉鎖、さらに夜間も外出禁止という措置だ。
ちなみにこの夜間外出禁止はイタリア語でコプリ・フォーコ(coprifuoco)といい、直訳すると「火を覆い隠す」となる。もともとは戦時中に敵の飛行機に見つからないよう消灯することを意味していた言葉だ。普段生活する中では聞くことのない言葉が登場したことでも、イタリアの状況の深刻さが現れていると言えるかもしれない。
この州ごとのゾーン分けは定期的に見直され、感染状況が落ち着けばレッドからオレンジへ、そしてイエローへと規制緩和される。そしてもちろん、感染状況が悪化すれば逆もどりすることになる。筆者の住むミラノ(ロンバルディア州)では11/29日にレッドからオレンジへ、12/13にオレンジからイエローへと規制が緩和された。一方で、イエローゾーンからレッドゾーンへと規制が強化された州もある。