「死んでしまった彼氏と体をつなげたい…」女子高生の取った「選択」が起こす戦慄のホラー

椎名 うみ プロフィール

「漫画は伝えるツール。言語。他人に伝わらないと虚無」

椎名:え、だって、虚無でしょう? 漫画って伝えるツールじゃないですか。つまり言語ってことじゃないですか。例えば私がですよ…ぱぴぷぺぽぽぺぺぱぺぺぱ〜!

――……!?

椎名:…みたいな感じのことを突然言ったとするじゃないですか。今、この場に虚無しか生まれなかったですよね? 全く意味がわからなかったから。だから漫画も伝わらないと虚無です!

担当編集:アハハハハ、それすごくわかりやすいね!

椎名:「ぱぴぷぺ〜」って言ってる私は「すごい気持ちい〜」って思ってるかもしれないけど(笑)。

担当編集:聞いてる方は、「やべ、こいつ何だ?」って思うよね。

 

椎名:自分が気持ちいいからってその虚無を発生させるのなら、相手からお金をいただくんじゃなくて、私が相手にお金を払わなきゃいけないんですよね。でも漫画家で生活するんだったら、読者の方からお金をいただかなくてはいけない…それなら、ちゃんと伝わるように描かないと!

担当編集:ほんとそうですよね。

椎名:そうなんです、読者の方はママじゃないんだから。伝わるように描くのは当たり前で、更にいいところもないと読んでもらえないじゃないですか。初期のころはホントにもっと絵が下手だったしネームもコマ割りもダメだった。だから、いいところを作らなきゃいけなかった。

担当編集:冷静だなぁ(笑)。

『青野くんに触りたいから死にたい』第1話のカラー

椎名:自分で作れそうないいところ、人よりもちょっとでも何かありそうなところを考えた結果、「“感情を描くこと”だったらちょっとは見れるものが描けるだろう」と思ったんですよ。それで「みつこ」はすごく微妙な感情をいっぱい書いてるんです。ホントに技量がないので、そこにすがりました。

担当編集:その狙いは、すごく当たってます。最初の四季賞審査の時に絶賛していた3名のうち、私以外は男性だったんですが、2人とも「自分には絶対この作品で描かれている“感情”を拾いきれないから担当できない」って言ってた。「この作家さんはすごいと思うけど、自分が担当についてもできることは何もない」って、それくらい感情の描き方がすごかった。

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