写真:大河内禎

宮本浩次、54歳でつかんだ「夢」…それでも「俺はもっと売れたいんだ」と公言する理由

アルバム『ROMANCE』で頂点に

初のオリコン1位を獲得して

コロナに始まりコロナに暮れた2020年。拭いきれない不安の中で人々はさまざまなロマンを求めた。『アマビエ』『鬼滅の刃』『愛の不時着』、そして宮本浩次の歌に多くの人が色めき立った。

ちあきなおみの『喝采』や太田裕美の『木綿のハンカチーフ』など、昭和歌謡の名曲で構成されたカバーアルバム『ROMANCE』は発売前から大きな話題を呼び、11月18日にリリースされるとオリコン1位を獲得。音楽番組で歌を披露するたびに、迫力に溢れた歌いっぷりと伸びやかな声で人々を魅了した。

かねてより「大スターになりたい」「一番になりたい」と公言していた宮本に、夢が実現した今の心境を訊いた。

Photo by 大河内禎

――今回、アルバムチャート1位を獲得したのは初めてだということですが、宮本さんのキャリアと人気を考えると意外な気もします。

「いや、事実なんです。だから嬉しくてねぇ。もう、どうしたらいいんだろうというくらい。ヒットというのは時代背景に運、宣伝力といろいろな要因が重なって生まれるわけで、自分だけでは成し遂げられるものではないんです。関係者や、もちろんファンの人達に対しても非常に感謝しています」

――時代背景という言葉がありましたが、今は新型コロナウイルスの蔓延という、先行きの見えない未曽有の状況です。

「もちろん、コロナなどなければよかったのにと思います。たくさんの方が命を落とされたし、経済的に追い詰められている人も多い。個人的なことをいえば3月から予定されていた全国ツアー『宮本、独歩。』が中止になっちゃいましたしね。

ツアーが中止になったのは自分だけじゃないので、しょうがないと割り切ることができたんですけど、問題はポッカリあいた時間をどうするかでした。4月に入って緊急事態宣言という聞き慣れない宣言が発令され、日本中で本格的に自粛しようという流れになった当初は戸惑いました」

 

――もとより、ソロ活動の計画の中にカバーアルバムの制作も含まれていたと聞きます。昨年の暮れには松任谷由実さんの『恋人がサンタクロース』と小坂明子さんの『あなた』のレコーディングを終えていたのだとか。

「そうなんです。だけど、その2曲以外にどんな歌をカバーするのかについては決まっていなかった。自粛期間を選曲する時間にあてようと考え、最低一日一曲カバーするというノルマを自分に課したんです。

昭和の名曲を150曲くらい聴いて、ピンときた曲のコードを取って弾き語りをして……。なにしろ12曲に絞るというのはなかなかに大変な作業でした」